「アルビン・ジェントリーが僕にチャンスを与えてくれた」
2019-20シーズンで最も成長した選手に送られるMIP賞は、ペリカンズの若きエース、ブランドン・イングラムが受賞した。
移籍1年目となった今シーズンのイングラムは平均23.8得点、6.1リバウンド、4.2アシスト、1.0スティールといずれもキャリアハイの数字を記録した。1試合あたりの3ポイントシュート数は1.8から6.2と大幅に増え、成功率もキャリアハイの39.1%と高確率だった。
こうした活躍が認められオールスターにも初選出されたイングラムだが、昨シーズンは苦難の連続だった。血管に血栓ができる深部静脈血栓症を患い手術を受け長期欠場を余儀なくされた。過去に同じ病気で引退を余儀なくされた選手もいたほどの深刻な病気だ。そのため、イングラムは受賞後のインタビューでコートに再び戻ってこれたことに感謝していると語った。
「まずは神に感謝したい。彼がいなければ健康を取り戻すことはできなかった。バスケットボールコートへ戻ってこれるチャンスは訪れなかったでしょう。昨年の3月にケガをして9月までコートに戻れませんでした。プレシーズンマッチ、そしてレギュラーシーズンまで少ししか時間がありませんでしたが、準備はできていました」
イングラムは2016年ドラフト全体2位でレイカーズに入団したが、アンソニー・デイビスとの大型トレードでロンゾ・ボール、ジョシュ・ハートとともにペリカンズへ放出された。こうした経緯もあり、元ヘッドコーチや球団運営副社長に対しても感謝の言葉を綴った。
「移籍初日からアルビン・ジェントリー(元ヘッドコーチ)やデビッド・グリフィン(球団運営副社長)、チームトレーナーたちと、とにかく毎日練習してベストを尽くそうと話していました。アルビン・ジェントリーが僕にチャンスを与えてくれて、自由にプレーさせてくれました」
MIPを受賞したイングラムにはサプライズが用意されていた。イングラムはペリカンズのオーナー、チームメートのロンゾ・ボールとビデオ会議中に家族から受賞を知らされたのだ。最初は困惑した表情を見せていたが、状況を理解し笑顔を見せた。
イングラムはオフシーズンにフリーエージェントとなるが、ペリカンズはマックス契約をオファーすると予想されている。来シーズンは新たなヘッドコーチのもと、ザイオン・ウィリアムソン、ボール、ドリュー・ホリデーらとチームを牽引していくことになりそうだ。