ケンバ・ウォーカー

スマートは「守備に関してはモンスター」

セルティックスvsセブンティシクサーズの第3戦は終盤までもつれる接戦となったが、終盤にセルティックスが勝負強さを発揮。最終クォーター残り2分14秒から8-0のランを繰り出し、102-94で勝利した。

ケンバ・ウォーカーが老獪なプレーで得点を重ね、ジェイレン・ブラウンやジェイソン・テイタムも続きセルティックスが先行した。それでもシクサーズの大黒柱ジョエル・エンビードが内外から得点を量産し、流れを渡さず拮抗した状態が続く。

3点ビハインドで最終クォーターを迎えたシクサーズはエンビードを中心に得点を重ね、残り2分14に94-92と逆転に成功する。だが、セルティックスはエンビードへダブルチームを仕掛け、苦し紛れのパスをマーカス・スマートがスティールし、ブラウンの3点プレーとなるバスケット・カウントに繋いで流れを引き寄せた。

さらに直後のディフェンスでは再びのダブルチームからテイタムがエンビードのシュートをブロック。そこからワンマン速攻に転じ、クリアパスファウル(アンスポーツマンライクファウル)を誘発した。そして、ポゼッションを得たセルティックスはアル・ホーフォードとのミスマッチの状況を作り出したウォーカーがステップバックのミドルシュートを沈め、次のオフェンスでもスマートがエンビードからシュートファウルを誘発し、一気に勝負を決めた。

チームハイの24得点、勝負を決定付けるミドルシュートも沈めたウォーカーは過去に2度プレーオフに出場しているものの、いずれも1回戦で敗退している。3連勝で王手をかけ「これが僕がここにきた理由」と勝利を喜んだ。「これまでに3連勝したことはないし特別な瞬間だ。でもまだ仕事は終わっていない。彼らはまだあきらめていないから、自分の持っているすべてを費やさないといけない」

指揮官のブラッド・スティーブンスはウォーカーについて「彼はファイターであり、競争者だ。1年中勝ちたいと話していた」と、勝利への意欲の高さを称賛した。

14得点8リバウンド3スティールとマルチな活躍を見せ、特にディフェンス面で大きく貢献したスマートは「それが自分の仕事。自分のプレーをやっているだけ。リーグでもベストディフェンダーという自覚があるし、チームメートも対戦相手もそう思ってくれているさ」と自信をのぞかせた。

そのスマートは年間最優秀守備選手賞の最終候補から漏れたが、ウォーカーは「守備に関してはモンスター」と語り、スマートを擁護した。「彼は本当に特別な選手。どんなチャレンジでも受け入れるし、勝つために必要なことならなんでもこなしてくれる。彼がチームを繋いでくれている選手。信じられないくらいすごいよ。彼が年間最優秀守備選手賞の最終候補に入らなかった理由が分からない」

シリーズ初戦でゴードン・ヘイワードが右足首を捻挫し、約4週間の離脱を余儀なくされチームには暗雲がたちこめた。それでも若きデュオに加え、ウォーカーやスマートら脇を固める選手の活躍もあり、ファーストラウンド突破が目前に迫った。