最後まで勝敗が見えない大激戦を制した滋賀、B1残留ミッションを最終節でクリア

2018/05/06
Bリーグ&国内
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文=立野快 写真=B.LEAGUE

全員一丸の遂行力で『生きるか死ぬか』の戦いを制す

Bリーグ最終節、滋賀レイクスターズと富山グラウジーズの第2戦は、勝てば1部残留決定、負ければ残留プレーオフ行きという運命の試合となり、両チームのブースターが詰めかけたウカルちゃんアリーナはシーズン最多の3625人と超満員となった。

滋賀は並里成のアシストから佐藤卓磨がインサイドシュートを決めて先制。さらに両チームオン・ザ・コート「1」の時間帯、帰化選手のファイ・サンバが作り出すミスマッチを有効に使って得点を重ねる。アウトサイドシュートも当たりだしたサンバの11連続得点、続いて並里を中心とした速攻が止まらず、第1クォーターで23-10とリードを奪った。

オン「2」の第2クォーター、富山は依然として滋賀のディフェンスを攻略できない。クリント・チャップマンの個人技で打開を図るが、これも単発に終わる。滋賀はディオール・フィッシャーを軸にヘルプディフェンスでゴール下を守り、オフェンスに転じれば並里が力強いボールプッシュ。富山に攻めの形を作らせず、44-27で前半を折り返した。

それでも後半、富山のエース宇都直輝がそれまでのプレーメーク優先から一転、思い切ったドライブで滋賀のディフェンスを切り崩し始めると、富山が巻き返す。宇都の連続得点、またアシストから水戸健史の3ポイントシュートが決まり、滋賀のターンオーバーを誘発。宇都の連続アシストで大塚裕土がレイアップと3ポイントシュートを決めて2点差まで迫った。

しかし滋賀は並里が黙っていない。ドライブからスペースを作り出しサンバへアシスト、さらにミドルシュートも決めて再び突き放す。視察に訪れた日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスが見つめる中、宇都と並里という日本を代表するポイントガードの対決は見応えのある激戦となった。それでも最後はサンバをフィニッシャーとする滋賀のオフェンスが上回り、59-49とリードし第4クォーターへ入った。

並里vs宇都、最終盤まで続いた一進一退の攻防

第4クォーター、富山は上江田勇樹の連続得点、宇都のアシストから大塚がファウルを受けながら3ポイントシュートを決める4点プレーで一気に2点差まで詰める。ここから両チーム一歩も譲らぬ激戦となるが、残り5分30秒、宇都のポストプレーからパスを受けたウィラードがベンキー・ジョイスを抜き去りダンクに持ち込むと、フィッシャーがファウルで止め個人ファウルが4つに。これでフィッシャーがゴール下で激しく守れなくなると、富山はこれを突きドライブアタックを再三仕掛ける。キャプテンの水戸がバスケット・カウントをもぎ取り、残り2分47秒で富山が逆転に成功した。

だが、一進一退の攻防はまだ続く。高橋耕陽がロングシュートを決め返して滋賀が再びリードを奪い、富山はデクスター・ピットマンをファウルアウトで欠きながらもファストブレイクからファウルをもぎ取った上江田勇樹がフリースローを沈めて74-74と再び同点に。

この土壇場でより冷静だったのは滋賀だった。タイムアウトで一呼吸置いての攻めで、並里からジョイス、フィッシャーとパスをつなぎ勝ち越しに成功すると、宇都のパスを受けてゴール下を狙うチャップマンにしぶとくプレッシャーをかけてフィニッシュを決めさせない。

76-74と2点リードの残り28秒、長谷川がフリースロー2本を外し富山に再びチャンスを与えてしまうが、ここもポストプレーからアタックするチャップマンに激しくプレッシャーをかけて耐えきる。残り10秒で富山はファウルゲームに行くが、リバウンドを取った高橋に対するファウルでウィラードがアンスポーツマンライクファウルをコールされ、さらにこのジャッジに抗議したチャップマンがテクニカルファウルとなり万事休す。滋賀が接戦を78-76で制した。

狩野主将はスタンドを埋めたファンに感謝

滋賀は富山の猛攻を浴びて一度は逆転されながらもチーム一丸の姿勢は揺るがず、ピンチにこそ集中力を増した。前半のサンバを生かしたゲームメーク、終盤のタイムアウト明けに勝負どころでセットプレーを決めきる遂行力が接戦を勝ち切る力になった。

昨シーズンに続き残留プレーオフ回避を決め、試合後の会場はシーズン締めくくりのお祝いの場と化し、ホームゲームでの勝利で好例となっている「勝ったぞー」のマイクパフォーマンスが代わる代わる選手により披露された。キャプテンの狩野は「本当につらかったですが、こうやって最後に皆さんと一緒に笑えるのはうれしいです。60試合ありがとうございました」とブースターに感謝。スタンドは万雷の拍手で応えた。

一方の富山は昨シーズンに続き地獄の残留プレーオフへ。ヘッドコーチのミオドラグ・ライコビッチは、「前半で17点差つくことは想定外でした」と試合を振り返る。「最後の4~5分は激しいシーソーゲームになりましたが、相手に難しいシュートを決められてしまい思い描いていたものと違う展開になってしまいました」と、最後まで思い通りの展開に持ち込めなかった。残留プレーオフ1回戦では島根スサノオマジックと対戦する。