三河に続き新潟との接戦も勝ち切った富山グラウジーズ、残留プレーオフ回避へ王手

2018/05/03
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

負けられない両チーム、エナジー全開の立ち上がり

新潟アルビレックスBBと富山グラウジーズの北陸ダービーは、両チームとも『生きるか死ぬか』を懸けた激戦となった。27勝30敗で中地区3位、チャンピオンシップ進出のためには一つも負けられない新潟。そして23勝34敗の中地区4位、残留プレーオフ回避のために必勝を期す富山。前節から中2日の過密日程をモノともせず、どちらもエナジー全開の立ち上がりとなった。

試合開始の数分こそフィジカルなディフェンスが目立ったが、ほどなくしてリングにアタックする積極的な姿勢がそれを上回り、点を取り合うクロスゲームに。第2クォーター途中、五十嵐圭がスティールからこの試合初めてのファストブレイクを決めると、直後のオフェンスで3ポイントシュートを決めて40-34と突き放す。

富山も負けじと応戦し、宇都直輝からサム・ウィラードのホットラインでの7連続得点で43-42と逆転に成功。しかし、この直後にウィラードが早くも個人3つ目のファウルを犯してベンチに下がることに。富山は第1クォーターからファウルがかさんでいた。前半終了時点で47-48と1点のビハインドは苦にならなかったが、ウィラードとクリント・チャップマンが個人ファウル3つ、デクスター・ピットマンが2つとピンチに陥っていた。

これは試合序盤からダバンテ・ガードナーとラモント・ハミルトンが猛威を振るった結果だ。前半だけで2人で被ファウル9、しかも2人ともバスケット・カウントを3つずつ奪う猛烈ぶり。特にガードナーは時間帯によってボールハンドラーの役割も五十嵐から託され、自らプッシュしてはペイントに突っ込み、得点を奪いフリースローを得る、まさに手の付けられない働きだった。

ファウルトラブルを我慢して勝機を呼び込んだ富山

点差だけでなくファウルも気にしなければいけない第3クォーター。富山はこの難しい局面を乗り切ったことで勝機を呼び込む。ピットマンが8分間、ウィラードが2分間、このオン・ザ・コート「1」の時間帯をノーファウルで乗り切ったのだ。前半から飛ばしに飛ばしたガードナーが早々にヘバったこともあるが、突っかかってくる相手の勢いをいなし、なおかつイージーシュートのチャンスを与えず我慢し続けたディフェンスの対応が光った。

残り8分30秒に五十嵐の仕掛けに誘われたチャップマンが4つ目のファウルでベンチに下がり、6分を切ったところでガードナーのアタックを止められずウィラードが4つ目のファウル。いよいよ追い詰められたが、富山は異常なまでの粘りを発揮する。まずはリングに向かうコースを開けない、割って入られたらファウルを避けつつプレッシャーを掛けてシュートが落ちるのを待つ。3ポイントシュートをオープンで打つ機会は与えず、自分たちのポゼッションで確実に2点を取る。富山はこれを愚直に遂行し、リードを保ち続けた。

第4クォーター、富山は新潟の3ポイントシュートを7本中1本成功と封じている。池田雄一が完全にオープンな状態で打たれるミスを犯したが、池田がこれを決められない。あとは富山がコントロールした状況下で打たせたものだった。逆に富山は3ポイントシュートを1本しか打っていない。すべて2点シュートでコツコツと決め、新潟にプレッシャーを与え続けた。

過密日程でも40分間プレー、チームを支えた宇都直輝

ラスト1分、オフェンスリバウンドからガードナーに押し込まれ、88-85と1ポゼッション差に迫られた富山だが、もう時間的にファウルトラブルを心配する必要はなく、落ち着いて対応した。残り24秒、新潟のリスタートで五十嵐、ハミルトンとボールをつながれるもズレを作らせず、打つ機会を与えない。残り10秒から新潟はファウルゲームに行こうとするも、チームファウルが足りず。ようやくチームファウル5つ目をやった時には残り0.6秒、しかも今村が宇都の背後からファウルしたとしてアンスポーツマンライクファウルを取られて万事休す。

最終スコア89-85で富山が激戦を制し、日曜のシーホース三河戦に続いて大きな勝利を手にした。富山にとっては実に3カ月ぶりの連勝となった。

宇都直輝は外国籍選手がファウルトラブルで思いきったプレーができない状況で強気のプレーを連発してチームを盛り立てた。35分以上プレーするのが当たり前となっている宇都だが、この試合では平日開催の過密日程にもかかわらず40分間フル出場。試合終盤、体力的にキツいのは間違いない時間帯でもプレーの強度は落ちず、そのタフネスぶりには驚くばかりだ。

富山の指揮官、ミオドラグ・ライコビッチは「出だしからエネルギッシュにプレーしようと選手たちに声をかけました」と試合を振り返る。ガードナー対策がうまく行かなかったことを課題に挙げながらも「後半ディフェンスを立て直してリズムを取り戻せたことが良かった」と勝因を語る。オン・ザ・コート「2」の時間帯を見ると、第1クォーターはガードナーに18得点、ハミルトンに9得点と散々にやられたが、勝負の第4クォーターではガードナー10得点、ハミルトン2得点と半減させた。新潟の一番の強みを封じたディフェンスが勝利を呼び込んだ。

新潟のポイントガード五十嵐は、外国籍選手が止められた時間帯に自らのアタックで攻撃を引っ張り15得点9アシストと活躍したが、新潟市東総合スポーツセンターのスタンドを埋めた観客に勝利で応えられなかったことを詫びた。「たくさんのファンやブースターの方が自分達を後押ししてくれて、一緒に戦ってくれているということを感じていた。その中でチャンピオンシップ進出を果たせなかったことは、本当に申し訳ない気持ちです。今シーズン支えてくださった皆さんのためにも、残り試合を無駄にするのではなく、もう一度チームとしてまとまって新潟らしいバスケットを出して終われるようにしたい」

今週末がレギュラーシーズン最終節。新潟は敵地でレバンガ北海道と、富山は滋賀レイクスターズと残留プレーオフ回避に向けた『決戦』を戦う。富山はここで1つ勝てば残留が決まる。