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相手に恐怖を植え付けるトランジションで30-9のラン

西カンファレンス準決勝の初戦に臨んだ王者ウォリアーズは、油断や慢心とは無縁の存在だった。ペリカンズとの第1戦、ウォリアーズは第2クォーターを41-21で圧倒。トランジションから30-9のランを決めてリードを21点にまで広げ、ハーフタイムを迎える前にとどめを刺した。

39-39で迎えた第2クォーター残り10分14秒から、王者による圧巻のショーが幕を開けた。ドレイモンド・グリーン、ケビン・デュラントによる厳しい守備でペリカンズにシュートを許さず、ボールを奪うとすぐさまオフェンスに移行。次々に得点を重ね、約7分間の猛攻をデュラントがアリウープで締めくくり、前半終了までに勝負を決めた。

このトランジションのペースを押し上げたのは、オラクル・アリーナに集まったウォリアーズファンだ。試合後ヘッドコーチのスティーブ・カーが「今シーズン一番の歓声だった」と語ったように、ウォリアーズがプレーを決めるたびに声援が大きくなり続け、修正を試みたペリカンズから心の余裕を奪った。

この猛攻を前にしては、ペリカンズ指揮官のアルビン・ジェントリーも「プラン通りのプレーができなかった」としか言えない。

それでも、ゲームハイの27得点で勝利に貢献したクレイ・トンプソンは、ペリカンズのアップテンポなペースに「疲れさせられた」とコメント。1回戦で対戦したスパーズとも比較し、こう語っている。「スパーズは選手の年齢も少し上だから、相手は規則正しいやり方で僕たちに対抗してきた。スパーズはハーフコート、インサイドでの守備でチームに対抗してきたけれど、ペリカンズと対戦すると、まるで自分たち自身とプレーしている感じがする。点を決めてもリラックスしている暇なんてなくて、すぐにダッシュで戻って相手のシューターを見つけないといけない。そうやって彼らはテンポを上げている。1回戦とは全く異なるタイプの試合だね」

この日、16得点15リバウンド11アシスト3スティール2ブロックをマークし、プレーオフでキャリア4回目のトリプル・ダブルを達成したグリーンも「今クレイが言った通り。1回戦とはテンポが全然違う。今日はトランジションの際にイージーな部分もあきらめずにやれたから、自分たちの形を作れた」と語っている。

トンプソンとグリーンの言葉どおりなら、ペリカンズにもチャンスはあったということになる。だが、1回戦でトレイルブレイザーズをスイープで撃破したペリカンズであっても、『要塞オラクル・アリーナ』に飲みこまれた。レギュラーシーズンから続いた連勝が9で止まったペリカンズは、第2戦から仕切り直しを図る。