「彼がステップアップしてくれて良かったよ」
ウィザーズが東カンファレンス1位のバックスと対戦した。八村塁はキャリアハイとなる9本の3ポイントシュートを放ち、チームハイの20得点を挙げたが、ディフェンスの悪さを改善できず完敗した。
序盤からバックスディフェンスを攻略できず無得点が続く。開始4分、シュートファウルを誘発した八村がフリースローでチーム初得点を挙げ、さらに八村のインサイドアウトからトーマス・ブライアントが3ポイントシュートを沈めたことでようやくオフェンスが機能し始めた。
だが、3ポイントシュートを高確率で許し先行を許すと、アデトクンボのアタックを止めることができず、10分間で12本ものフリースローを与えた。第2クォーター残り8分50秒、そのアデトクンボがモリッツ・ワグナーに頭突きをくらわし、フレグラントファウル2をコールされ退場となった。
ウィザーズはこの機を逃すまいと八村が奮闘。インサイドを固めるバックスに対し、八村は外に開いてボールを呼び込み、連続で3ポイントシュートを沈めた。それでもブルック・ロペスの3ポイントシュートを止められず、インサイドでも失点を重ねるなど止めどころを見失い、点差は徐々に開いていった。
10点ビハインドで後半を迎えたウィザーズだったが、開始1分で八村が個人4つ目のファウルをコールされ出鼻をくじかれた。それでも八村は積極性を失わない。これまでは3ポイントシュートが打てるシーンでも躊躇することが多かったが、この日は打てるタイミングでシュートを打ち続け、キャリアハイとなる9本の3ポイントシュートを放った。結果的に3本の成功に終わったが、指揮官のスコット・ブルックスはこの点を大きく評価した。
「塁にとっては素晴らしいことだ。彼は今バランスの取り方を学んでいる。彼の9本の3ポイントシュートはすべて正しいタイミングで打っていたと思う。それは彼が取り組んできたこと、彼がステップアップしてくれて良かったよ」
八村は29分間の出場でチームハイの20得点を記録。フィールドゴール成功率は33%(6/18)とシュートタッチに苦しんだが、3ポイントシュートを打ち続けたことは大きな収穫となった。
試合は常に10点前後をリードされたまま完敗したが、八村にとってはプレースタイルを確立するターニングポイントとなったかもしれない。