期待に応える結果を残せなければチーム解体も?
セブンティシクサーズに悪いニュースが舞い込んだ。先日のウィザーズ戦で左ひざを痛めて途中交代したベン・シモンズは手術が必要で『バブル』を離れ、少なくともしばらくはチームに戻って来ない。復帰できるとしてもプレーオフを勝ち進んでいくうちに間に合うかどうかといったところ。しかし、シモンズ抜きのシクサーズがどこまで勝ち上がれるかは分からない。
今シーズンのシモンズは、平均16.4得点、7.8リバウンド、8.0アシストを記録。彼が不在となれば、ジョエル・エンビードの負担は果てしなく大きくなる。常にトリプル・ダブルを期待できる万能性、またポジションを問わず守れる能力を、他の選手がカバーするのは難しい。
シクサーズにとってさらなる懸念は、シモンズとエンビードというNBA屈指のポテンシャルを持つタレントを2人も擁しながら、今シーズンここまで42勝27敗、東カンファレンスの6位とチームが伸び悩んでいる点だ。シモンズがケガをする前から、シクサーズは今シーズンのプレーオフで勝ち進めなければ、今オフにシモンズかエンビードのいずれかをトレードしてチーム再建に舵を切るのではないかと見られていた。
昨シーズンのシクサーズは、プレーオフを最後まで勝ち抜くラプターズを最後まで苦しめた。リムの上で5回跳ねたカワイ・レナードの超クラッチシュートが決まらなければ、勝ち進んでいたのはシクサーズかもしれない。今回のシモンズのケガも不幸な事故だ。それでも、期待通りの結果を残せていないのは事実だ。
シモンズ抜きのシクサーズをエンビードが引っ張り、プレーオフを勝ち上がっていく可能性がないわけではない。だが、そうなればシモンズをトレードの駒として使うという選択肢はより魅力的になる。カンファレンス・ファイナルでシモンズが復帰し、ここを勝ち抜いてNBAファイナルへ……というのは楽観的すぎる想像だ。
今の状況を現実的に考えれば、シクサーズは残る4試合でシモンズ抜きでの戦い方を探り、プレーオフを前に一つでも多くの武器を見いださなければならず、楽観的になれる要素は一つもない。『崖っぷち』の状況でチーム全体が奮起できるか。ブレイザーズ、サンズとプレーオフ進出のために決死の覚悟で臨むチームとここから対戦するのは、不幸中の幸いといったところ。今のシクサーズが活路を見いだすには、なりふり構わず戦うしかない。