「僕のプレーが彼らにとって嫌な思い出だから」
8月8日に行われたクリッパーズvsトレイルブレイザーズの一戦は、ビハインドの時間帯の長かったクリッパーズが残り30秒を切ってから逆転に成功し、122-117で接戦を制した。だが勝敗以上に話題を集めたのは、第4クォーター終盤のプレーに対するクリッパーズのリアクションだった。
残り18.6秒、117-118と逆転を許した状況で、ブレイザーズはデイミアン・リラードが2本のフリースローを獲得する。2本とも決めれば逆転という場面だったが、今シーズンのフリースロー成功率88%を超えるリラードが2本とも外す珍しい結果に。このプレーをベンチで見ていたクリッパーズのパトリック・べバリーは、マーカス・モリスと大喜びし、ベンチ前のフェンスからフロアに滑り落ちるほど笑い転げていた。
観客がいない『バブル』での試合では、フリースローを試みる相手にプレッシャーを掛けられるのはベンチの選手だけ。ベバリーを始めとする選手たちは、そうやって勝利の確率を上げようとしたのだろう。ただしブレイザーズの側から見れば不快な行為だ。
試合後の会見でリラードは、べバリーの行為について「見ていないけれど、さっき聞いた」と答えた。「僕のことをリスペクトしている証だよ。彼らは僕がどういうプレーをする選手か理解してくれているのさ。彼はロケッツに所属していた時(2014年のプレーオフ・ファーストラウンド)に僕の決勝点で負けたことがある。大事な局面で僕がいかに危険なのか、記憶に残っているのだろうね」と冷静にコメント。
さらに、ポール・ジョージも失投後に手を振る『バイバイ』リアクションを取っていたことについて質問されると、リラードは微動だにせず「彼も、サンダーに所属していた昨シーズンのプレーオフで僕にやられたよね」と即答した。
「今日のような場面で決めてくる選手だと思っているからこそ、ああいうリアクションをするんだ。つまりはリスペクトの証。気分を害するようなことじゃないよ。
並の選手なら腹を立てても不思議ではないところを、冷静に受け止められるのは百戦錬磨のリラードだからこそ。リーグトップクラスのクラッチプレーヤーに数えられるリラードは、超プラス思考の持ち主なのだ。