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サンダーの19-0のランにも屈さず逆転勝利

『ミスター・トリプル・ダブル』ことラッセル・ウェストブルック、そして『Playoff P』ことポール・ジョージの脅威に晒された第1戦とは変わり、ジャズは第2戦でチーム力の差を見せつけ、敵地で大きな1勝を手にした。

勝敗を分けた大きなポイントは、ジャズがサンダーの猛攻に屈しなかった点だ。第3クォーター中盤に19-0の猛攻で逆転したサンダーに対し、ジャズは新人ドノバン・ミッチェルが第4クォーターだけで13得点を決めてオフェンスを牽引。最終クォーターは追いつ追われつの攻防となったものの、チームリバウンド数で56-46と上回ったこと、また最終盤のサンダーのシュートミスにも助けられて勝利。対戦成績を1勝1敗のイーブンに戻している。

ミッチェルは、プレーオフデビューから2試合で合計55得点を記録。『ESPN』によれば、これは1985年のマイケル・ジョーダンがプレーオフデビューからの2試合でマークした53得点を上回り、ガードの選手としてはNBA史上最多の数字だという。

ミッチェルは試合を通じて放った3ポイントシュート7本を1本も決められなかったが、試合中にルディ・ゴベアからその数字を指摘され、「じゃあ、やってやる」という気持ちでインサイドへのアタックに切り替えたことを本人が明かしている。

その結果が2点シュート18本中10本成功の28得点。試合開始前の時点では第1戦で痛めた左足のケガで出場が微妙とも言われていたことが嘘のようなパフォーマンスで、特にクラッチタイムに重要な得点を次々と決めたルーキーらしからぬ勝負度胸が光った。

そのミッチェルは試合後、「チームの最大の強みは結束力にある」と、チームの結束の強さを勝因に挙げている。

「僕たちは練習の時からお互いにアドバイスし合っている。今日も相手の19-0のランに耐えて勝てた。試合に出ていなかったエペイ(ユドー)、デイビッド・ストックトンも『自分はこう思う』、『こうすべきだ』と意見を言い合っている。(クイン・スナイダー)コーチも言っていたけれど、それがチームの結束力だよ」

ホームコート・アドバンテージを持っていないジャズにとって、第2戦をモノにできたのは大きい。もちろん、サンダーがこのまま黙って敵地で簡単に敗れるとは思えない。ただ、このシリーズが俄然面白くなったことだけは確かだ。