『全国学生フリースローチャレンジ』は新型コロナウイルス感染症の影響で全国大会の中止が続く夏に、学生プレーヤーがオンラインで挑戦できる全国大会で、日本バスケットボール協会の主催によりこの8月に行われている。1チーム5人で構成し、60秒間にフリースローを何本決められるかを競うもの。大会スタート4日目にして、トヨタ自動車アンテロープスが参戦。アンテロープスらしさ全開でのチャレンジを演出してくれたスーパープロデューサー、三好南穂と馬瓜エブリンに感想を語ってもらった。
エブリン「やるんだったら私たちトヨタが一番に」
──まずは『全国学生フリースローチャレンジ』に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
三好 SNSでよく目にするようになって、学生の大会なので本当はエントリーできないけど「やってみたい!」と思いました。マネージャーに相談したら、ちょうどチームも検討していたそうで、だったらWリーグのどのチームよりも早く出したいと。
エブリン それをやるんだったら自分たちトヨタが一番に、という思いはありましたね(笑)。
三好 八雲学園のデモンストレーションを見たら21本だったので、負けられないという思いもありました(笑)。だからちょっと練習してみて、打った後にその場に残っていると時間がかかるので、私が「はい次、すぐ切り替えて」と指示して。ソーシャルディスタンスを気にしながらどれだけ速く回せるかは考えました。それで24本です。
エブリン 私たちは練習なしの一発。自分のチームはみんな大人なので、やりながらアジャストしていって23本でした。
──良い記録を出すために、他にも何かコツがあれば教えてください。
エブリン 次の選手が上手く打てるように、正面じゃなくちょっとずつ左右にズレながら打つと、早いし狙いやすいですね。 でも自分たちはやってないんですよ。プロデューサーなのでシュートは1本も打たずに指示してるだけ(笑)。
三好 早く決めなきゃいけないプレッシャーに負けないこと。あとはソーシャルディスタンスを気にすること。みんなに見てもらう動画だからお手本にならなきゃいけないという意識はすごくありました。
エブリン しかも最後は「イェーイ!」って集まりそうになって、「ダメダメダメ」って(笑)。
三好「しゃべりたいっていうのがあるんですよね」
──チャレンジに入る前、お2人からの選手紹介も楽しかったです。あそこはプロデューサーの腕が問われますね。
エブリン 面白さを出すためにプロデューサーに回ったというのはあります。
三好 しゃべりたいっていうのがあるんですよね。
エブリン しゃべりたいって、もはや選手じゃないよ!(笑)
三好 選手紹介も一発勝負で、前の選手を紹介しながら次の人のことを「何を言おうかな」って考えてたので、それで頭の中でどんどんヤバくなっていきました。ステ(馬瓜ステファニー)の時に出てこなくて「手足長い」って雑になったし、次のアズ(脇梨奈乃)も「22歳なのに大人っぽい」と言えばいいのに「22歳なのに老けてる」って言っちゃった(笑)。
エブリン 本人が「やめてー」って言ってた(笑)。でも、淡々とやるよりは自分たちみたいにプロデューサーがいたほうが良いと思います。プロだからバスケットもしゃべりもできますよ、ってのを見せたい(笑)。
三好 学生は普通にやってもらって良いんですけど、私たちは力の差を見せないとね(笑)。
──ただ本数を競うだけでなく、自己紹介も含めて楽しんでもらいたいですね。
エブリン それこそシュートを数える声をめちゃくちゃ大きくしてテンションを上げるとか、それで良い波に乗れるかも。
三好 ウチらはやってないけどね(笑)。でも雰囲気って大事です。今はなかなか大会が開催できないけど、離れていても同じルールで競い合えるのはすごく良いし、たくさんの人にチャレンジしてもらいたいです。普通のチームが強豪校に勝つことだってあるだろうし、私たちは24本成功だったけど、学生でももっと記録を伸ばせるチームは普通に出てくると思います。
エブリン 学生の選手たちには良い思い出になると思います。でも自分たちは、 やられたらやり返さないと。負け嫌いなんで(笑)。
三好 その時は私たちも入ってベストメンバーで、25は軽く行きますよ!(笑) 学生の大会なのに私たちが あまり 必死になるのは良くないかもしれないけど、学生とプロで同じルールでフェアに戦える機会って普段はありませんよね。コロナはないに越したことはないけど、コロナだからこそこういう新しいコミュニケーションが取れるので。
エブリン サンさん(三好)は目をつぶっても決めるので。私は人差し指と中指だけでいけるかな(笑)。
「気持ちを一つにして一緒に戦っていけたら」
──Wリーグが開幕しても、観客を入れて試合ができるか分からない状況です。どんなシーズンになると思いますか?
エブリン いつもと違う形になるので、そこのアジャストが大事。どのチームが一番早くアジャストできるかだと思うし、同じチームと何回も当たって最終的にはフィジカル勝負やメンタル勝負で負けないように、チーム一丸で戦って優勝したいです。
三好 やっぱり今シーズンも優勝が目標になりますが、今は日本だったり世界全体がコロナで下を向きがちな雰囲気なので、自分たちのバスケ、スポーツで見ている人に勇気や感動を与えたいとすごく思います。毎年思っていることですが、どのシーズンにも増して今年はその気持ちが強いです。
エブリン 自分たちも自粛を経験して、野球もサッカーもNBAも、スポーツが一切ない生活がこんなにつまらないんだとあらためて分かりました。ファンの人たちも落ち込む年だと思うので、そこをトヨタが盛り上げていきたいですね。
三好 お客さんが試合会場に来られないようなことがあれば配信で見てもらうしかないので、ベンチパフォーマンスを抜いてくれるカメラがあったらそこでも頑張りたいです。
エブリン マイクもあったら良いよね。全部聞かれたらちょっとダメだけど(笑)。
三好 自分たちは何でもやりたいので、『バスケット・カウント』とタッグ組んで企画をやりましょう!
エブリン やりたい子たちめっちゃいますよ(笑)。
──それはあらためて企画会議をやりましょう。最後に、アンテロープスのファンの皆さんにメッセージをお願いします。
エブリン いろいろ気が滅入る時期ですが、そこで何ができるかを考えるのは楽しいし、心を保つこともできます。そこにバスケットが入って、皆さんを楽しませたいと思って自分たちは頑張りますので、見ていただけたらうれしいです。
三好 いつもたくさんの応援をありがとうございます。シーズンが開幕したら私たちは皆さんを楽しませて、勇気や感動を届けられるような試合を必ずします。会場で一緒にできるかどうかはまだ分かりませんが、気持ちを一つにして一緒に戦っていけたらうれしいです。みんなで一緒にコロナに打ち勝って、乗り越えていきましょう!