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ロンゾの存在はレブロン、ジョージ獲得の追い風になるか

鳴り物入りでNBAの世界に飛び込んだロンゾ・ボール。ドラフト前から父ラバー・ボールのビッグマウスが先行して話題を集め、リーグ内外から妙な形で注目されてしまったが、そんなプレッシャーの中でも『ゴールデンルーキー』もデビューからパフォーマンスで結果を残した。

レギュラーシーズン終盤はケガで離脱したが、52試合に出場し平均10.2得点、6.9リバウンド、7.2アシスト、1.7スティールを記録。並のルーキーとしては上々の、そして『ゴールデンルーキー』としてもノルマ以上の爪痕は残せたと言えるだろう。

真価を問われる2年目のシーズンを前に、ロンゾには大きな役割を与えられることになりそうだ。今夏のオフは、数年がかりでサラリーキャップに空きを作ってきたレイカーズにとっては編成面での勝負の年。レブロン・ジェームズ、ポール・ジョージといった大物フリーエージェントを獲得できれば、再建は一気に進む。

ただ、彼らを納得させるのは簡単ではない。ロンゾ、カイル・クーズマ、ブランドン・イングラムなど『ヤング・レイカーズ』の主力は将来有望な若手だが、どういう成長曲線を描くかは誰にも分からない。もしレブロンを獲得できたとしても、来シーズンからNBAファイナルに進出できると考えるのは楽観的すぎる。彼らビッグネームにチームの現在地を理解させ、再建プランに賛同してもらうのは非常に重要な仕事だ。

優れたポイントガードは、コンビを組む相手の力量によって才能を一気に開花させる場合がある。ペリカンズのラジョン・ロンドは、セルティックスで迎えた2年目の2007-08シーズンにポール・ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレンのビッグ3に鍛えられ、オールスター・トリオの舵取りを任されるまでに成長。その後リーグを代表する司令塔になった。

もしロンゾがレブロンやジョージと組めば、その才能がさらに大きく花開くかもしれない。当然、レイカーズ首脳陣も、大物との交渉にロンゾを同席させ、チームの将来性をアピールするはずだ。

勧誘活動に参加する気があるかを『The Orange County Register』に聞かれたロンゾは「チームのためにやれることをやる。レブロンでもポール・ジョージでも、チームを気に入ってくれたらうれしい」と答えた。

近年のNBAでは、過去の伝統やチームブランドより、すぐさま優勝できる環境を求める大物選手が増えている。通算16回の優勝という実績、パープル&ゴールドというブランド、伝統に魅力を感じ、ロサンゼルスの重圧に耐えられる選手のみがレイカーズでプレーすべき、というコービー・ブライアントの意見は正論だが、球団社長のマジック・ジョンソンは、何が何でも大物を獲得したいと思っているはずだ。ロンゾの交渉参加が見事なアシストになるかどうか、フリーエージェント選手との交渉解禁を待たず、期待は高まるばかりだ。