写真=野口岳彦

「肉体とモチベーションがついていかない」

4月12日、千葉ジェッツの伊藤俊亮が会見を行い、今シーズン限りで引退することを発表した。

伊藤は中央大学卒業後、東芝(現川崎ブレイブサンダース)でキャリアをスタートさせ、その後リンク栃木ブレックス、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)を経て、Bリーグがスタートした昨シーズンから千葉でプレーしていた。

希少な日本人ビッグマンとして、大学在学時に日本代表に初選出されると、その後もたびたび日の丸を背負った。

千葉との契約は3年契約だったが、3年目の来シーズンについては選手とクラブが相談して決めるオプションとなっていた。そして伊藤が「肉体とモチベーションがついていかない」という理由で引退を決意した。

千葉の島田慎二代表からは「現役を続けてほしい」と言われ、一度は悩んだという。それでも今年で39歳を迎える伊藤は「30代後半になり毎日の練習がつらくなってきた。もう1年、選手として仕事をすると考えた時に困難」と結論を出し、今回の発表に至った。

引退後は千葉のフロントに入ることが決定している。会見に同席した島田代表は「6月までは選手としての契約が残っているので全うしてもらって、7月以降はフロントに入ってビジネスの世界に入ります。具体的な仕事内容はまだ決まっていない」と説明した。

「何か恩返ししないと、という使命感がある」

選手としてのキャリアを千葉で終えることになり、「16年間の中でたった2年間だけど、この2年間は思い入れも深く、何か恩返ししないと、という使命感がある」とコメントし、「会場でお会いできるか分からないですけど、最後まで見てくださいというのが率直な気持ちです」と伊藤は引退会見を締めくくった。

レギュラーシーズンは残り9試合。千葉はチャンピオンシップ出場が決定しているため、それに加え数試合は伊藤の雄姿を見れるチャンスはある。ラストシーズンを優勝で終え、オールジャパンとの2冠という最上の形で『有終の美』を飾れるか。伊藤のフライトはまだ続く。