文=泉誠一 写真=B.LEAGUE、野口岳彦

1勝1敗で感じる「本当はどっちが強いのか」

先週末に行われた第27節のBリーグは、1勝1敗と結果が割れたスプリットゲームが全9カード中6つもあった。第6節に続いて2度目となる最多の引き分けとなる。平日に仕事をしていた企業チーム同士が週末に戦ってきた歴史をプロとなったBリーグでも踏襲しており、同じ相手と2連戦行われるスケジュールは日本特有のもの。やられた相手にどうアジャストして次戦にやり返すかが、プロバスケの醍醐味でもある。翌日に早速チャンスがやってくる現状は、1勝1敗になるのも必然と言えよう。

B1全18クラブによる9カード中、平均3.5カードがスプリットゲームになっている。1勝1敗で週末を終えるのは、やはり混戦の東地区が多かった。サンロッカーズ渋谷以外の5クラブはいずれも2桁にのぼり、最多の13回はレバンガ北海道と川崎ブレイブサンダースである。すべてのカードが連勝で決着したのは第21節の一度きりしかない。

1勝1敗で終わると本当はどっちが強いのか、とモヤモヤした感じは残らないだろうか。特に、大差で勝った翌日に同じく大差でやり返されるとどっちが本当の実力なのかと煙に巻かれた気分にもなる。前節から一例を挙げれば、初戦で千葉ジェッツが96-77と19点差をつけて勝利したが、翌日は102-84の100点ゲームでシーホース三河がリベンジした。

プロ野球であれば同一カード3連戦が基本である。希に引き分けもあるが大抵はどちらかが勝ち越しを決め、優劣がつく。ここから先は筆者の妄想になる。ぜひ、皆さんも学校やご家庭、もちろん飲み屋でこんなたわいもないバスケ談義を日常に持ち込んでいただきたい。

レギュラーシーズン中からミニゲームで決着を!

さて、チャンピオンシップだけに第3戦で採用される5分ハーフのミニゲーム。筆者自身はあのレギュレーションは、bjリーグ時代から好きではない。クライマックスへ向かうチャンピオンシップからいきなり採用されることに違和感があり、長いレギュラーシーズンを無意味なものにしてしまう印象を持っている。今後もあれを継続していくならば、レギュラーシーズンから定着させれば良いではないか。例えば毎節、1勝1敗になった場合はジャンケンのようなあのミニゲームで決着をつける。シーズン中から頻繁に目にする機会を増やすことで、きっと不可思議なミニゲームも慣れていくことだろう。

勝率で順位を決めている現状だが、これを勝ち点制にする。2連勝した場合は勝ち点3、1勝1敗+ミニゲームで勝ち越した場合は勝ち点2、仮にあれで敗れても1勝を挙げたクラブには勝ち点1を与える。2連敗した場合のみ勝ち点はもらえない。そうすることで強さもハッキリするようになるような気がする。

平日のアリーナを埋めてWin-Winの関係性を構築

以前、我がウィザーズの現地観戦後、NBA同様に平日開催の有効活用について書かせていただいた。3月28日に行われた水曜ゲームの平均入場者数は2838人。B1の9カード中6会場で3000人を超え、トップはとどろきアリーナの3812人。決して立地が良い会場ではない。さらにB2でも、B1返り咲きを狙う秋田ノーザンハピネッツは3190人を集めている。今シーズンB1全体の平均入場者数は2857人であり、平日でも休日でも遜色ない集客ができるようになった。

大きなアリーナがあっても確保できない実情を耳にすることも多い。しかし、それも週末をターゲットにしているからである。例えば、さいたまスーパーアリーナや東京体育館、東京オリンピックに向けてできたばかりの武蔵野の森総合スポーツプラザのスケジュールを見れば、確かに週末こそ埋まっていた。だが、平日であればビッグアリーナだってホームにできる可能性はある。

効率的に平日を埋めながらホームアリーナとWin-Winの関係を構築することを期待したい。すでにBリーグが平日でも集客可能なコンテンツであることは証明済みだ。大阪エヴェッサのように指定管理者制度でアリーナを管理・運営する立場であれば、なおさら週末は他のイベントでガッポリ儲けつつ、そこに集まる異なるファンに向けてクラブの存在をアピールだってできる。平日はBリーグが埋めていきながら、アリーナを稼働させていく術もあるだろう。バスケはアリーナビジネスでもある。

アマチュアリーグ時代から続く週末2連戦のフォーマットから脱皮することを検討しても良い時期に差し掛かっている。週末に縛られることなくアリーナさえ確保できれば、チャンピオンシップにおいてあのミニゲームで決着をつけなくてもよくなる。ファイナルだって、ファンが待つホーム&アウェーでの開催が実現できる。ファンにとって最適であり、選手にとっては言い訳できない環境が求められる。やっぱりあのミニゲームは、好きになれない。

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