相手の策を逆手に取った長距離砲、栃木が誇る万能ビッグマン、ライアン・ロシター

2018/04/07
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

SR渋谷の対策を上回った3ポイントシュート

栃木ブレックスは先週末のサンロッカーズ渋谷戦に2連勝した。連敗を喫すれば勝敗で並ばれ、チャンピオンシップ進出を占う上で重要な試合であることは誰しも理解しており、熱戦が繰り広げられた。

第2戦の最終スコアは76-64と終盤に差が開いたが、ラスト6分の時点で3点差と、突き放しては追いつかれるシーソーゲームとなった。ゲームハイの19得点を挙げたライアン・ロシターは「得点が止まる時間があったが、パニックにならず落ち着いて戦えたのが良かった」と試合を振り返った。

彼が勝因に挙げた『落ち着き』をチームにもたらしたのが、ロシターの3ポイントシュートだった。ロシターは4本放った3ポイントシュートをすべて成功させている。「中に切り込むことはできなかったが、逆にディフェンスと自分との間に距離がある守り方だったので、その状況を見て狙った」とロシターは説明した。

SR渋谷の指揮官、勝久ジェフリーも「打たせたわけではないですけど、シュートフェイクに飛ばずに、ドライブを優先的に守るというのはありました」と明かしている。確率論から言えば正しい対応だ。今シーズンのロシターの3ポイントシュートの成功率は30%台前半で、過去2シーズンの数字も30%を下回っている。

「4分の4、3ポイントシュートを決める選手だとは思っていない。アシストも多いクリエイターと考えているので、侵入を防ぐという作戦でしたけど、昨日と今日は素晴らしかった」と勝久コーチはロシターを称えた。

「スタッツ担当の人と話さないといけないね(笑)」

栃木はオフェンスリバウンドを平均12.7本獲得しており、これはリーグ1位の数字だ。栃木のこの武器は、平均3.2オフェンスリバウンドのロシターの貢献が大きいのは明らか。オフェンスリバウンドが0本だったのは、46試合中わずか1試合のみだったが、第2戦では約4カ月ぶりにオフェンスリバウンドが0に終わった。

ロシター自身にもこれは意外だったようで、「What?」と首を傾げた。「オフェンスリバウンドを取ったプレーが全部ファウルになってしまって、カウントされなかったんじゃないかな」。確かにリバウンド争いでファウルがコールされる場面は多々あった。

それでも栃木はオフェンスリバウンドでSR渋谷を上回った。「僕が取れなくても、チップしたのをチームリバウンドとして取れている。そういう一つひとつのプレーがチームの勝利につながっていると思う。だからリバウンドに絡むことが重要と考えて常にプレーしているよ」

数字よりも勝利を優先するロシターだが、オフェンスリバウンドが0本だったことについては「スタッツ担当の人と話さないといけないね(笑)」と冗談交じりに笑顔で話した。

唯一の課題はフリースロー「できることをやっていく」

圧倒的な存在感を放ち、完全無欠なイメージのロシターだが唯一つ弱点がある。それは年々確率を落としているフリースローだ。今シーズンは43.1%とキャリアワーストの数字となっている。第2戦でもフリースローは8本中3本の成功と、この日も低調だった。

この日は前述のとおり、4本すべての3ポイントシュートを沈めていた。そこでフリースローと3ポイントシュートではどちらが得意かを尋ねると、苦笑混じりで「3ポイントシュートのほうが簡単だね」と話す。

得点王レースに絡むほど大量得点を挙げるわけではないが、勝負どころでボールを託されれば臆することなくアタックして貴重な得点を挙げる。リバウンドではリーグ屈指、そしてアシストも1試合平均4.7と外国籍選手では最多。オールラウンドな能力を誇るロシターにとって唯一の弱点がフリースローだ。

だがロシターは「数を打って練習しているが現状として結果に表れていない。そのことが自分のパフォーマンスに影響しないように、できることをやっていくだけ」と、苦手は苦手と受け入れ、他のプレーに悪影響が及ばないように割り切って練習を重ねている。

フリースローは長年の課題であり、どれだけ練習を重ねても成功率が80%になることはないかもしれない。それでも、その課題に対するどこまでも真摯な取り組み方が、ロシターのプレーヤーとしての強さを表している。