ポール「WNBA選手と一緒にすることが非常に意味のあること」
NBA再開にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ『バブル』の仕組みを整えて安全性を担保するだけでなく、全米で大きな動きとなった『Black Lives Matter』にどうかかわっていくかも重要な課題となった。サンダーのクリス・ポールは選手会の会長としてNBAと協議し、リーグ再開にあたって社会正義の課題に取り組む方向性を認めさせている。
すでに行われているスクリメージ(練習試合)でも『Black Lives Matter』の文字がコート上に描かれているが、リーグは人種差別への抗議と平等な社会の実現に向けたさらに具体的な活動をスタートさせる。
クリス・ポール会長は選手会とNBAが連携して、社会正義の課題に焦点を当てた3億ドル(約316億円)の財団を設立することを発表した。選手会は財団の資金の使い方について発言権を得ることになる。
『New York Times』によると、ポールは元大統領夫人のミシェル・オバマを『バブル』に招き、NBAとWNBAの選手たちに投票の重要さについてスピーチをしてもらうと発表した。「投票して声を届けることの重要さについて話し合うつもりだ。NBA選手だけでなくWNBA選手と一緒にすることが非常に意味のあることだと思う。お互いの体験談をシェアしたり気持ちを分かち合うことができる」
「女性の意見に耳を傾けるということは大事なこと。私には妻、母親、そして娘がいる。彼女を守り、権利を主張できるようにする必要がある。すべての女性と彼女たちの行動を心から応援したい」
財団を承認するための正式なオーナー投票が近日中に行われる予定だ。現時点では財団についての詳細は不明だが、選手に投票を促したり、お金がどのように使われるかについて発言権を持たせることは素晴らしい取り組みと言えよう。リーグと選手会は昨今の人種にまつわる社会正義の問題について発言するだけでなく、実際にアクションを起こして変革を進めている。