文=丸山素行 写真=FIBA.com

『異次元の高さ』に苦戦するも前半をリード

U-16男子アジア選手権、グループリーグで韓国に競り勝ち、グループ首位通過でベスト8に進出した日本は、4強進出を懸けてフィリピンと対戦した

開始5分、10-10の場面でトランジションの要である河村勇輝と田中力を投入した日本。試合テンポを上げるが、肝心のフィニッシュが決まらず得点は伸び悩んだ。216cmのフィリピンのセンター、カイ・ソットに対して特別なトラップを仕掛けずに対応したが、その異次元の高さに苦戦を強いられた。それでも日本は強気なドライブでファウルを誘発し、合わせからイージーシュートの機会を数多く作り出すことで上回り、34-32とリードして前半を終えた。

迎えた後半、高さを強調するフィリピンの前に日本は崩れる。ペイントエリアで圧倒的な力を見せるカイが、自らのシュートミスを自分でカバーしてバスケット・カウントを連続で獲得。ダブルチームに行けばパスをさばかれ、外からの3ポイントシュートを許した。ディフェンスが崩壊したことでオフェンスにリズムが生まれず、合わせのプレーが出なくなった日本は、単調な外角シュートばかりが目立つようになり、約5分間で2-17とビッグランを許し突き放された。

田中のフェイダウェイシュートが外れ惜敗

日本の11点ビハインドで迎えた最終クォーター、日本はチームプレーを取り戻し、三谷桂司朗がフィニッシャーとなって追撃を開始。開始3分半で3点差まで迫った。それでも、またもカイが立ちふさがる。高いブロックショットを浴びて得点が止まると、ゴール下で連続失点。残り3分30秒にはターンオーバーから速攻を許し、59-69と再び2桁のビハインドを背負った。

だがこのピンチに、ここまでシュート精度が上がらず、フィールドゴール13本中2本成功と極度のスランプに陥っていた田中が覚醒する。この試合初めての3ポイントシュートから3本連続で3ポイントシュートを成功させ、日本の反撃に勢いをもたらした。そして3点を追う状況で迎えた残り26.4秒、田中は3ポイントラインから遠く離れた位置から思い切りよくシュートを放ち、これを沈めて土壇場で70-70の同点に追いついた。

しかし、直後のポゼッションで失点し、再び2点を追う状況に。そして残り2.3秒、サイドラインからパスを受けた田中が放ったフェイダウェイシュートが外れ、70-72で敗れた。

日本はカイに28得点21リバウンド(うちオフェンスリバウンドが8)3ブロックを許し、その高さの前に屈した。ベスト4進出は叶わず、U-17ワールドカップ出場権を逃すことになった。

ラストショットを外した田中はコートで泣き崩れ、チームメイトに抱きかかえられた。それだけこの大会に懸ける思いが強かったのだろう。ベスト4は逃したが大会は続き、明日は5~8位順位決定戦を戦う。