伊藤俊亮

「今は胸を張ってプロ選手と言える環境」

Bリーグは昨日と今日の2日間に渡り、オンラインでBリーグ新人選手研修を行った。

『元アスリートからのメッセージ』と題した講義では、2018年に千葉ジェッツで現役を引退した伊藤俊亮が講師として登場した。伊藤は中央大学在籍時から日本代表に名を連ね、その後、東芝ブレイブサンダース(現川崎ブレイブサンダース)、リンク栃木ブレックス、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋を経て、Bリーグの誕生と同時に千葉に入団した。

リーグが2つに分裂していた日本バスケ界の低迷期を知っている伊藤は自身の経験を踏まえ、「皆から認められ、プロフェッショナルな選手となったことに誇りを持ってプレーしてほしい」と投げかけた。「世界選手権に日本代表として出場し、選手として一つの成功を収めました。でも自己紹介をする時に、プロじゃないリーグでアマチュア社会人選手をやっている日本代表の選手ですと言うしかなかった」

「今は胸を張ってプロ選手と言える環境。やっと始まったプロリーグ、その舞台に立ったということを覚えていてほしい」

伊藤は現役を引退後、チームのフロントスタッフとして働いた経験を持つ稀有な存在だ。選手とクラブ、両方の視点を知る伊藤はお金の流れを理解した上でこのように語った。

「差し入れやファンレターをもらうことも素晴らしいですが、自分を購入してもらうことを意識する。それをしないとバスケ界が大きくならない。そのために、お金を払ってでも会いたい、欲しいと思ってもらえる魅力を持つ選手になってください」「選手の給料はスポンサーから多くが出ています。だからこそ、クラブのイベントは大事にしてほしいですし、それが自分の価値を高めることにも繋がります」

そして伊藤は、新人だからこそ先輩やチームが助けてくれると話し、自分の成長のためだけに時間を使ってほしいとメッセージを送った。「ルーキーには必ず自分に与えられる時間があります。その時間を目一杯、自分のためだけに使ってほしい。そして、自分を高めてプロのルーキーイヤーを楽しんでほしいです」