写真=Getty Images

キッド、ナッシュ、アレン、ヒルが揃って殿堂入り

3月31日、ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイムが2018年の殿堂入りメンバー13名を発表した。今年の殿堂入りメンバーで最も話題を集めているのは、1990年代にデビューを果たした元NBA選手4名だ。ジェイソン・キッド、スティーブ・ナッシュ、レイ・アレン、グラント・ヒルという日本のファンにも馴染み深い名選手たちが、揃って殿堂入りメンバーに選出された。

NBAで19年プレーしたナッシュは、2005年と06年にシーズンMVPを受賞したポイントガード。通算アシスト数は歴代3位の1万335で、30代後半になっても衰えが見られなかった司令塔だ。現役引退後の現在は、ウォリアーズの育成コンサルタントを務めている。サッカーの技術もセミプロ級で、来シーズンからは『Turner Sports』のサッカー解説者としてデビューすると噂されている。

ナッシュと同じく司令塔として一時代を築いたキッドは、同じく殿堂入りメンバーに加わったヒルとともに1994-95シーズンの新人王に輝いた。2011年にはマーベリックスで初優勝を果たし、2013年に現役引退するまでに記録したアシスト数は、歴代2位の1万2091。引退後はすぐに指導者となり、ネッツ、バックスのヘッドコーチを歴任。今シーズン途中にバックスを解雇されたが、今ではバックスのエースに成長したヤニス・アデトクンボの才能を開花させた人物としても有名だ。

そのキッドと同期のヒルは、現役時代にケガに泣かされたが、才能は群を抜いていた。優勝こそ果たせなかったものの、新人王、オールスター選出7回、1990年代後半はオールNBAチームの常連という実績を残した。サンズ時代にはナッシュとコンビを組み、黄金期をもたらした。

稀代のシューターことアレンは、通算3ポイントシュート成功数で歴代1位(2973)の数字を残した。バックス、スーパーソニックス(現サンダー)時代には優勝に縁がなかったが、2007年に移籍したセルティックスでは、ポール・ピアース、ケビン・ガーネットと『ビッグ3』を結成。08年の優勝に貢献したほか、2012年にはヒートに移籍し、13年の優勝に貢献した。スパーズと対戦した2013年のNBAファイナル第6戦、第4クォーター終了直前に決めた同点3Pは今も語り継がれる名シーン。アレンの3Pでオーバータイムに持ち込んだヒートは、第6戦を制して3勝3敗のタイに持ち込み、第7戦にも勝って2連覇を果たした。

殿堂入り式典は9月7日にマサチューセッツ州スプリングフィールドで行なわれる。4人が檀上で何を語るのかを含め、彼らが歴史の一部に加わる瞬間を楽しみに待ちたい。