宇都宮ブレックス、比江島慎の新シーズンに懸ける熱い思い「全盛期でやれる間に優勝したい」

宇都宮ブレックス、比江島慎の新シーズンに懸ける熱い思い「全盛期でやれる間に優勝したい」

2020/07/16

比江島慎

昨シーズンの宇都宮ブレックスは31勝9敗と好成績を残したが、東地区優勝にはあと一歩届かなかった。今年で30歳になる比江島慎は悲願のBリーグ優勝に向けて「全盛期でやれるのもあと少し」と危機感を持ち、東京オリンピックも控える新シーズンが勝負の年になると語る。

「波のない比江島慎をお見せできると思います」

──久しぶりの長いオフだったと思います。どのように過ごしていましたか?

外出できなかったので、本を読んだり普段しないようなことを結構していましたね。僕はメンタルが弱い部分があるので、そっち系の本を読みましたが『マインドセット』という本はすごく良かったです。

──日本代表としても活躍するアスリートで、メンタル弱めな選手は珍しい気がします。

珍しいと思いますし、自分でもよくここまで来れたなと思いますよ。僕はメンタルがしっかり整っている時もあるけど、崩れた時にとことん崩れてしまうんです。寝たらちゃんと回復しますが、常にイケイケな状態に持って行けるようにしたいですね。今年は行けると思っています。波のない比江島慎をお見せできると思います。

──頼もしいですね!

言動からしっかりしていかないといけないので(笑)。

──比江島選手のSNSでトマトを育てているのを見ましたが、もう収穫しましたか?

思っていたよりもできるまで時間がかかって、一昨日、第1号を収穫して食べました。ちゃんとトマトで美味しかったですが、もっと美味しくできる気がします。でも初めてにしては十分かなと(笑)。

──では、昨シーズンのことを聞かせてください。シーズンは途中で終わってしまいましたが、宇都宮の40試合すべてに出場し、そのうち39試合でスタメンを務めました。

昨シーズンはチームのシステムを理解できていたので、自分の持ち味も出せたと思っています。もし最後までシーズンをやり遂げることができれば、これまで以上に優勝のチャンスが大きかったと思うので、そこの部分ではモヤモヤがありますね。

ただ、僕がこのチームに来た理由の最大のポイントがディフェンスだったので、そこに関してはすごく成長できた実感があります。オーストラリアから帰って来たシーズンはディフェンス面で相当手こずりましたが、昨シーズンはディフェンスでの余裕も出てきたので、その分オフェンスにも力を入れることができました。もっともっと向上しないといけない部分はあるけど、ブレックス1年目に比べるとだいぶ成長できたと思います。

比江島慎

「最近になって優勝がすごく難しいものだと感じている」

──シーズンの前半はほとんどの試合で2桁得点を記録していますが、年明け以降はちょっと波があったと思います。

確率が少し下がった時期もありましたが、ブレックスのスタイルで1年間通してパフォーマンスを維持するのはすごく難しいです。それは開幕からやってみて気が付きましたね。ブレックスはバスケIQというか考えることがすごく多いんです。ディフェンスにしてもオフェンスにしても、それぞれのシステム一つひとつの細かいポジショニングがあって、そこは事細かに注意されます。セットオフェンスやディフェンスも何パターンもあって、それを毎試合で遂行しないといけない。特にディフェンスでは毎クォーターで守り方がガラっと変わるので神経も使いますし、そこは他のチームにはない難しさがあると思います。1年目の経験があったので最初から余裕を持ってプレーできましたが、やっぱりそこは大変でしたね。

──なるほど。シーズン中には代表活動も入ったりして、より大変ですね。

セットプレーやディフェンスも違うので難しいですね。でもブレックスを経験していると、言い方が正しいかは分かりませんが代表が楽に感じる現象が少し起きています。ブレックスではいろいろなパターンをしているので、何にでも対応できるというか。そこはこのチームでプレーしている強みだと思います。

──宇都宮は常勝チームと言われます。冒頭でメンタルの話が出ましたが、そのようなクラブでプレーし続けて、プレッシャーを感じることはありますか?

うーん……そこまでないかなあ。個人的にはMVPを取っているので、そのプレッシャーはありますね。

──MVPを受賞している比江島選手が次にほしいタイトルは何でしょう?

ベスト3ポイントシュート成功率賞とかベストフリースロー成功率賞はチャンスがあるかもしれませんが、そこまで『このタイトルがほしい』というのはないですね。今は個人タイトルよりも優勝したいという気持ちだけなので。最近になって優勝がすごく難しいものだと感じてきているんですよ。今までは「いつか優勝できるだろう」と思っていましたが、年齢を重ねるにつれてすごく難しいことだと思うようになったし、チャンスもあと少ししかないのかなと。僕ももう30歳だし全盛期でやれるのもあと少しだと思うので、その間に優勝したいという思いが強いです。

──プレーを見ている分には分かりませんが、比江島選手も年齢を感じることがあるのですか?

感じますよ。回復のスピードも遅くなってきたし、何よりも跳べなくなったというか。前は簡単にダンクできていましたけど、今は最高の状態じゃないとダンクもできなくなってきたし、ちょっと感じていますね。アップや入念なストレッチで準備をしていますけど、これからはもっともっとそういうことを感じてくるんだろうなと思うと、焦りも少しあります。

──それで言うと、比江島選手個人としては東京オリンピックの1年延期は大きかったですね。

個人的には今年やりたかったという思いが大きいですね。ただ、チームとして考えると主力の(八村)塁や(渡邊)雄太、馬場(雄大)はもう1年経験を積めるし、チームケミストリーを合わせる部分では1年間伸びたことは良いことだと思っています。ただ、個人的には難しいところでもありますよね。

比江島慎

「オリンピックもあるので僕にとっては勝負の年」

──今オフは予想に反してB1でも移籍が盛んでした。比江島選手が一番驚いたことは何でしょうか?

千葉ですよね。もう完璧な補強じゃないですか。千葉との試合をイメージしているんですが、まあ強いですよ(笑)。ディフェンダーでもある佐藤卓磨選手が入って、他にもシャノン・ショーターにセバスチャン・サイズとか。僕のイメージですがオン・ザ・コート3プラス佐藤選手や富樫(勇樹)がいると思うと隙がないし、どうしたもんかなと思っています(笑)。

──「どうしたもんかな」で終わってしまっていますか?(笑)

いや、すごく楽しみだしワクワクしています。そんな千葉を倒したら楽しいだろうなって。それにウチにも3番ポジションの外国籍選手が入ったので十分に対抗できると思っているし、早く試合がしたいです。

──新シーズンの個人的な目標を教えてください。

3番の外国籍選手が入るので、自分が試合に出られないかもしれないという危機感を持っています。チーム内競争にもしっかり勝ちたいし、オリンピックもあるので僕にとっては勝負の年です。あとは自分もブレックス3年目になるので、チームをしっかり引っ張る意識は今まで以上に持たないといけません。細かい部分だと1、2年目よりスタッツ全体を上げないといけないし、オリンピックに向けてもシュート確率を上げて行きたいです。

──バスケット以外での目標はありますか?

オリンピックが終わるまではバスケのことしか考えていないですね。今はバスケ一つです。

──それでは最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

コロナの影響で無観客での試合などを経験して、あらためてファンの皆さんの偉大さや皆さんの声援が僕らのエネルギーになっているとすごく感じました。僕らはファンの皆さん在りきだと思っているので、また元気な姿で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。ともに、引き続き健康第一で頑張っていきましょう。

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