無虹彩症の少年に1万ドルのゴーグルをプレゼント
ジャズのジョー・イングルスが、ある男の子の人生を劇的に変えた。
イングルスが関わり合いを持った幼いファンは、ランドン・カーターという少年で、生まれつき目に光彩(カメラの絞りに相当する機能)を持っていない。そのため、眼前近くにあるものしかハッキリ見えず、あとはすべてぼやけた状態にある。
ランドン君のような視覚障害者を手助けする特殊な電子ゴーグルはある。このゴーグルを装着すると、視界に入ったものがゴーグル内のLEDスクリーンに映るのだが、1万ドル(約100万円)以上するので簡単にはてにはいらない。ランドン君はこれまで父親のスマートフォンを目にくっつけるようにしてジャズの試合を見ていた。
それでも、父親がジャズに問い合わせたところ、目が不自由な観客のためにゴーグルを会場で貸し出していることが分かり、昨年4月、ランドン君は初めて会場でNBAの試合観戦を堪能した。しかし、ゴーグルはあくまでレンタルで、試合が終われば返却しなければいけない。
この話を聞いて動いたのがイングルズだ。高価なゴーグルを自費で購入し、ランドン君にプレゼントした。この話を伝えた『Salt Lake Tribune』によれば、それからランドン君は映画、美術館に出掛けては、たくさんの物を実際に見る幸せを実感している。
Bigger than basketball.
Thank you, @Joeingles7! #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/3JHOeaJ0g2
— NBA (@NBA) March 16, 2018
そして3月15日、ランドン君はジャズ本拠地ヴィヴィント・スマート・ホーム・アリーナで行なわれたサンズ戦に招待され、イングルスと久々に対面。プレゼントされたゴーグルの構造上、あまり激しく頭を動かさない方がよく見えるため、父と2人で2階席からサンズ戦を観戦した。
4本の3ポイントシュートを含む17得点で勝利に貢献したイングルスは、試合後コートでのインタビューに応じ「子供が生まれれば、自分のこと以外についても考えるもの。ランドンのためにしたような行動は、これからもするつもりでいる」と語った。
大金を稼ぐNBA選手であっても、一人の少年のために、ここまでのことはなかなかできない。スポーツを生観戦できる『目』を手に入れたランドン君は、これからもジャズのホームゲームを観戦し、そしてイングルスらジャズの雄姿を、脳裏に焼き付けることになる。
??| Joe Ingles goes for 17 points, 3 rebounds, 2 assists and 2 steals.#TakeNote ???? pic.twitter.com/9fKaBdjje2
— Utah Jazz (@utahjazz) March 16, 2018