金丸の得点量産でスタート、終盤は付け入る隙を与えず
3月17日、シーホース三河が敵地の青山学院記念館でサンロッカーズ渋谷と対戦。第1クォーターで2桁のリードを奪うと、その後は常に先行する安定の試合運びで渋谷の追撃をかわし74-61で勝利を収めた。これで2月以降は負けなしの三河は連勝を11に伸ばしている。
第1クォーター、三河はこのクォーターで13得点とエースの金丸晃輔がいきなりエンジン全開。金丸を軸に得点を重ねると、守ってもSR渋谷のシュートを17本中4本成功のみに抑え、24-11と大量リードを奪う。
第2クォーターに入るとホームのSR渋谷が反撃。このクォーターでルーベン・ボイキン、広瀬健太らの奮闘で3ポイントシュート11本中5本成功と、長距離砲が効果的に決まり、残り約5分半には長谷川智也の3ポイントシュートで2点差にまで追い上げる。だが、三河はここから狩俣昌也が3ポイントシュートを入れ返すと、比江島慎もレイアップを沈め36-30で前半を終える。
第3クォーター、三河は「軽い腹痛を訴えたので大事を取りました」と鈴木貴美一ヘッドコーチが語るアクシデントから橋本竜馬がベンチスタート(第4クォーター終盤には試合に復帰している)で、前半は出番のなかった松井啓十郎を起用。比江島も温存した。
ここで松井が「桜木ジェイアールが起点となるのでそこにしっかりボールを集めながら自分の良さを出せるようにしました。動きながらスクリーンをかけたりしたことでチームの流れが良くなかった」と語るように、桜木を軸として手堅い試合運びで主導権を握り、三河はリードを9点に広げる。第4クォーターに入っても三河のペースは変わらず。松井やコートニー・シムズの得点などでSR渋谷に付け入る隙を与えず、楽々と逃げ切った。
松井を起用、プレーオフを見据えたテストも
試合後、三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「我々がやるべき個々のディフェンスがしっかりできていたのでそういう意味では安心してゲームを見ていられました」と総括。また、第3クォーターからの出場でありながら19分19秒の出場と、後半はほぼ出ずっぱりで10得点をマークした松井についてはこう語っている。
「前半はディフェンス重視の方針で使わないところがありました。後半、途中から使っても調子が出てこないと思うので最初から使いました。これまで何回か、第3クォーターでスタートから使った時は中々、調子が出なかったですが、今日は彼らしい動きが見られて良かったです」
そして第4クォーターで行った比江島を1番、松井を2番、金丸を3番とする破壊力抜群のバックコートについては、チャンピオンシップを見据えての作戦の一つと語る。「前半戦は結構やっていました。今日はKJ君(松井)が良い動きをしていたので、またとないチャンスでした。この3人はどこからでも点が取れます。そこでインサイドに合わせていければプラスαとなる。もちろん勝負にこだわりながら、プレーオフに向けていろいろなことを試しています」
「一つのプレーで解決しようとしてはいけない」
一方、7連敗となってしまったSR渋谷のヘッドコーチ、勝久ジェフリーは「後半のリバウンドが取れなかったところが特にダメージが大きかった。三河のようにリーグで1番のオフェンス力のチームのシュート成功率を39%に抑えており、それ以上に抑えるのは難しいと思います。タフショットを打たせた後、リバウンドをしっかりとらないといけない」とコメント。17本のオフェンスリバウンドを献上するなど、リバウンド争いで劣勢となったことを敗因に挙げている。
上位チームとの対戦が続いている中とはいえ、連敗をなんとか食い止めたいSR渋谷。そのために指揮官は、まずは我慢強く戦うことが重要と強調する。「一つのプレーで解決しようとしてはいけない。オフェンス、ディフェンスともチームとして、やるべきことを粘って続けることで効果が出てきます」
本日の試合、渋谷が連敗と止めるためには、シーズン前半の好調を支えた泥臭いハードワークとハッスルプレーをいかに40分間続けることができるのか。そこが明暗を分けるポイントとなってくるはずだ。
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