文=丸山素行 写真=Getty Images

2年連続でNCAAトーナメント出場の八村

2018年のNCAAトーナメントが開幕した。昨年は決勝まで駒を進めたゴンザガ大は、1回戦でノースカロライナ州立大グリーンズボロ校(UNCG)と対戦した。

UNCGはマイナーカンファレンス所属の格下となるが、序盤はオフェンスリバウンドを何度も奪われ、インサイドで得点を許し、ゴンザガ大がビハインドを背負う展開に。開始6分で投入された八村は、ディフェンスリバウンドからボールをプッシュし、そのまま強引にシュートに持ち込む。コースト・トゥ・コーストが決まったかに見えたが、オフェンスファウルをコールされてしまうも、攻守に存在感を見せる。

その後も積極的にシュートに持ち込むが、相手インサイドの強いプレッシャーの前にシュートはリングに弾かれ続けた。それでもゴンザガ大は人とボールが連動し始め、3ポイントシュート攻勢で逆転に成功した。

残り3分、一度ベンチに戻り再び出場した八村は高い跳躍力を生かし、リバウンド争いからファウルを誘うとフリースロー2本を沈め、初得点を記録。終盤に7-0のランで突き放したゴンザガ大が32-23とリードして前半を終えた。

八村はファウルトラブルで出場時間が伸びず不発

ところが後半に入るとUNCGは前半13本放って全く決まらなかった3ポイントシュートが入り始める。残り10分、八村は素早いボール回しからゴール下で合わせ、タップで押し込んで初のフィールドゴールを記録。それでもゴンザガに流れを呼び込むには至らず、UNCGのゾーンディフェンスに苦戦し、得点が止まる。

残り7分には、八村がリバウンド争いでオフェンスファウルをコールされ、個人4つ目のファウルトラブルでベンチに下がる事態に。その後は拮抗した展開が続くが、残り2分を切って62-64と逆転を許してしまう。

それでもゴンザガはこの勝負どころで強豪らしさを発揮。ディフェンスのギアを1段上げ、タフショットを打たせてUNCGの得点を止めると、ジョシュ・パーキンスのミドルシュートで同点、残り21秒にはザック・ノーベルJr.が強気に放った3ポイントシュートをねじ込み、土壇場で逆転に成功。そのまま相手の得点を許さず68-64で逃げ切った。

八村は4得点5リバウンドを記録。ディフェンスでは奮闘し、3つのオフェンスリバウンドを取ったが、相手センターにパワーで押し負ける場面もあった。オフェンスでもローポストからの強引な1対1を決められず、フィールドゴールは6本中1本。ファウルトラブルでプレータイムが19分と伸びず、残り16秒でファウルゲームを仕掛けられてのフリースローを2本とも落とすミスもあり、勝利が決まった瞬間にも、八村の表情には悔しさがにじんでいた。

しかし、トーナメントは始まったばかり。まだ挽回のチャンスはいくらでもある。2回戦ではサウスダコタ大を81-73で退けたオハイオ州立大と対戦する。