相棒カズンズを失ったアンソニー・デイビスに『25歳の飛躍』、ペリカンズを牽引

2018/03/13
NBA&海外
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写真=Getty Images

「ウェストブルックの精神的タフさを参考にした」

1月26日にホームで行なわれたロケッツ戦で、ペリカンズのデマーカス・カズンズは左足アキレス腱完全断裂という重傷を負った。アンソニー・デイビスとのツインタワー結成から1年、ようやくチームケミストリーが完成の域に達したタイミングでのアクシデントで、多くの人が「これで今シーズンのペリカンズは終わりだ」と思ったことだろう。

しかし、この次の試合から17連勝するロケッツを破ったペリカンズの強さは本物だった。それまで27勝21敗だったチームは、カズンズ抜きで11勝7敗。終わるどころか勝率を上げ、西カンファレンスの5位をキープしている。大混戦の西だけに油断はできないが、プレーオフ出場圏内をがっちりと確保しているのだから驚きだ。

急遽獲得したエメカ・オカフォーが予想以上の活躍を見せ、ドリュー・ホリデーもキャリア最高のパフォーマンスを続けている。だが、カズンズを欠くペリカンズを支えているのは、もう一人のスター選手であるアンソニー・デイビスに他ならない。

2月のオールスターゲームに相棒カズンズのネームナンバー入りのジャージーで出場するなど公私ともに仲の良かったデイビスは『ESPN』の取材に対してこう答えている。「彼のケガは残念だし、モチベーションを保つのがキツかったのは事実だ。デマーカス抜きじゃやれない、って気分に僕もなったよ。そこからもう一度自分を奮い立たせるには、バスケに対する取り組みから変えなきゃいけなかった」

「そこで参考にしたのがウェストブルックだった。プレースタイルが違うから真似はできないけど、彼の戦う姿勢を参考にすることはできる。強敵を相手にしても決してひるまず、勝つために必要であれば40本のシュートを打つ。その闘争心、一歩も引かない精神的なタフさを自分にも取り入れようとしたんだ」

1月までの彼の1試合平均得点は26.4。それが2月以降は32.7得点にジャンプアップしている。指揮官アルビン・ジェントリーはカズンズ離脱後にチームスタイルをガラリと変え、走って走ってテンポアップするバスケットを行っており、これがハマった結果でもあるが、デイビス自身のメンタル改革の成功が大きな要因であることは間違いない。

ケビン・デュラントを失ったラッセル・ウェストブルックは、平均トリプル・ダブルと年間42回のトリプル・ダブルという信じられない記録を打ち立て、シーズンMVPを受賞した。カズンズを失ったアンソニー・デイビスがこのまま突っ走った先には何があるのだろうか。シーズンMVPはジェームズ・ハーデンが手中に収めつつあり、デイビスにチャンスはなさそうだが、25歳のデイビスにとっては個人タイトルより、ここで自分の殻を打ち破ることが何より重要だ。

今の好調が期間限定のものにすぎないのか、それとも真の実力として身に着けるのか。デイビスはキャリアのターニングポイントを迎えている。