「おそらく成功するのではないか」
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長でアメリカの感染症研究の第一人者のアンソニー・ファウチ博士は『Stadium』とのインタビューで、NBAが発表したオーランドでのシーズン再開プランを高く評価していると語った。
「プランに実際に目を通しましたが、大変クリエイティブなものだと思いました。NBAがやろうとしているのは、おそらく成功するのではないかと思いますが、隔離された場所を作ることで選手にとって最も安全な状況を作り出すというものです。選手全員を検査して全員陰性の状態でスタートし、その集団に外から人が入ってこないようにしながらトーナメント方式で試合を開催できるようにします」
ファウチ博士は感染症専門家としてホワイトハウスへ助言を行うなどアメリカの新型コロナウイルス対策のリーダー的な存在だ。3月にはウォリアーズのステフィン・カリーがInstagram Liveでファウチ博士と対談し、新型コロナウイルスとインフルエンザの違いや若者も感染するのかなど様々な質問に答えた。
NBAのプランでは22チームがオーランドのディズニーワールドに集合し、レギュラーシーズン8試合とプレーオフを開催する。6月22日に選手のウイルス検査が行われ、ミニキャンプ後の7月になってから各チームがオーランドへと出発する。レギュラーシーズンは7月30日から、プレーオフは8月17日から始まる予定だ。
「通常のシーズンとは違いますが、私のようにバスケットボールを待ち望んでいたファンにとっては非常に安全なプランでしょう。NBAがしっかりとした意図を持って再開しようとしていることを大変うれしく思います。彼らは選手の安全確保を第一に考えています」
ファウチ博士のような専門家からの理解を得られたことはNBAの再開プランは安全面の課題をクリアできたと言えるだろう。感染の可能性や不安は完全にはなくならないが、現時点で考えつく最も安全な環境で選手たちはプレーオフに向けスタートを切ることになる。