長期契約を望むのならシーズンオフまで待つ必要も……
キャバリアーズからジャズにトレードされ、解雇されたデリック・ローズの『次』が決まらない。ブルズ時代の恩師トム・シボドーがヘッドコーチを務めるティンバーウルブズが獲得に関心を持っていると噂されたものの、球団オーナーは獲得に否定的なコメントをしており、具体的な動きには至っていない。
それどころか『Bleacher Report』によれば、フリーエージェントになったローズに届いたオファーは、複数のチームから提示された10日間契約のみだという。働き盛りの29歳、しかもシーズンMVP受賞者に突き付けられた現実としては、あまりにも厳しい。
しかし、ローズにも落ち度がないわけではない。
復活を期してベテラン最低保証額でキャブズと契約したローズは、プレシーズンから開幕まで順調だった。ただ、足首の負傷をきっかけに歯車が狂い出す。チームを離れて別行動を取ったローズについては、ここ何年も長期離脱となるケガの連続に心が折れ、現役引退も考えているとまで報じられた。復帰後に本人はこの報道を否定したが、ニックスに所属した昨シーズン中には、『一身上の都合』でチームに無断で試合を欠場してもいる。真実がどうであれ、こうした行動が2シーズンも続いてしまえば、どのチームもローズの仕事に対する姿勢を疑問視してしまう。
ローズのプレースタイルにフィットするチームと契約できれば、ポイントガードとして活躍する機会は得られるだろう。ただ、熾烈なプレーオフ争いを繰り広げている強豪チームの場合、今から新たな選手を加えてケミストリーを構築する暇はない。これから上位チームが契約するのは、即時フィット可能な選手に限られてしまうため、ローズとの契約はためらわれる。
とはいえ、このまま所属チームがないまま時間を過ごすのも惜しい。ニックスでの昨シーズンは平均18得点を記録。今のローズはお世辞にもNBAのトップ選手とは言えないが、それでもNBAレベルでの戦力としては十分に計算できる。
ローズの復活を願っているファンは世界中にいる。だが、これが現実だ。もし長期契約を求めているのであれば、10日間契約であってもコートに出てチームの勝利に貢献し、次のチャンスを掴むしかない。ローズが迷い込んだ長いトンネルの出口は、まだ見えない。