五十嵐&今村で我慢をしのいだ新潟
ワールドカップ予選による中断が明け、新潟アルビレックスがホームのシティホールプラザアオーレ長岡にアルバルク東京を迎えた。延長にもつれる激闘となったが、ダバンテ・ガードナーが43得点を挙げ、ホームの新潟がリーグ全体首位を走るA東京にアップセットを成し遂げた。
積極的にシュートを狙う新潟は、五十嵐圭と今村佳太の3ポイントシュートで序盤からペースを握る。ガードナーがダブルチームをモノともせず加点し、開始3分半で13-4と新潟がリードした。
それでも一瞬の隙を突かれてのスティールから田中大貴に3ポイントシュートを許し、流れを失いかけるも、畠山俊樹が身長差を感じさせないアグレッシブなディフェンスで田中を抑え込む。畠山が田中からオフェンスファウルを誘発するなどディフェンスで踏ん張り、攻めでは今村が10得点を挙げる活躍を見せ、23-18と新潟がリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーター、新潟はターンオーバーから速攻を許してジワジワと点差を詰められる。残り1分5秒、正中岳城に3ポイントシュートを沈められ逆転を許した。一時は逆転するも最終盤に安藤誓哉に得点を許し、38-39と逆転され前半を終えた。
迎えた後半、ターンオーバーから田中に得点を許し、安藤に速攻を決められ、後半開始5分で9点のビハインドを背負ってしまう。それでも五十嵐がトランジションからジャンプシュートを沈め悪い流れを断ち切ると、五十嵐の7連続得点で新潟は息を吹き返し、終盤にはガードナーが正中の速攻をブロックし、今村の3ポイントシュートにつなげて逆転した。
ガードナー退場の危機を乗り切り接戦を制す
新潟の1点リードで始まった第4クォーター、五十嵐と今村を休ませている間に逆転を許し、残り6分にアレックス・カークにバスケット・カウントを決められ65-73と突き放される。さらにガードナーが個人4つ目とファウルトラブルに。崩れてもおかしくない場面だった。だが直後に投入された今村が3ポイントシュートを沈めたことで、新潟は逆に勢いに乗った。
ガードナーのパワープレーで加点、アグレッシブなディフェンスでターンオーバーを誘発した新潟が終盤に追いつく。しかし、残り22秒にガードナーのフリースローでリードしたものの、残り3秒でカークにフリースロー2本を決められ、土壇場で延長戦に持ち込まれた。
一進一退の延長戦、残り1分37秒にガードナーがバスケット・カウントの3点プレーで93-88とリードを広げる。ところが残り1分を切ったところでガードナーがリバウンド争いからファウルを犯して退場に。フリースローを2本とも沈められ3点差に迫られる。それでも新潟は最後まで集中したディフェンスでゴールを死守した。
残り20秒、ボールをキープした五十嵐が安藤からアンスポーツマン・ライクファウルを誘発し勝負アリ。五十嵐がフリースローを2本とも沈め、これで得たポゼッションでもレイアップを決めて99-92で逃げ切った。
「意識すべき点を全員がやれたことが大きかった」
43得点を挙げたガードナーは「東京さんは強いチームなので、気持ち新たにこの戦いに挑みました。今日と同じようにプレーハードにチーム一丸となって戦いたい」と明日の第2戦への抱負を語った。
シーズンハイの18得点を挙げた今村は「練習からシュートタッチが良く、1本目を決めてから乗っていけた」とコメント。「オフもシュートを打ち込んでいたし、形になって良かったです。ディフェンスでも、ブースターの皆さんのディフェンスコールもあって、いいプレーができた。プレー全体を見ても、自分が求められていること、やるべきことが明確になってきたと思います」と手応えを語る。
また五十嵐も5本の3ポイントシュートを含むシーズンハイの23得点。「個人的にも1本目、2本目と決めることができて、シュートタッチも良かったので、シュートはどんどん狙っていこうと思っていた」と自身の出来を振り返る。「ディフェンスについても、マンツーマン、ゾーンを使い分けて、相手のリズムにさせないようなプレーができた。チーム全体でも、今週はリバウンドの部分を強く意識してトレーニングしてきて、そういった意識すべき点を全員がやれたことが大きかったと思う。リードされても我慢強く戦い、最後にチャンスを生かすことができた」と、強豪相手に競り勝った試合内容を誇った。
五十嵐が言うように、新潟は何度か離される場面があった。だがその度に五十嵐や今村が火消し役となって我慢の時間帯を乗り切り、ガードナーが個の力を発揮したことが勝因となった。
昨シーズンはA東京に一度も勝利できなかった新潟だが、今シーズンの戦績は2勝1敗とリード。明日の第2戦を勝利できれば苦手意識はなくなり、名実ともにA東京キラーとなり得る。