西宮ストークスの天日謙作コーチが語る終盤戦のキーワードは『コネクト』

2018/03/02
Bリーグ&国内
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構成=西宮ストークス 写真=B.LEAGUE

B1のスタイルに翻弄された序盤戦からの転換

B2を制し、B1に昇格して戦う今シーズン。ここまで7勝31敗で西地区6位と、西宮ストークスが苦しい戦いを強いられていることは否めない。苦戦の大きな要因のひとつに、B1とB2のゲームスタイルの違いがあると天日謙作コーチは言う。

「そこが、想定していたものとは大きく違いました。昨季のB2は、僕らが身長も体重も足らないことはわかっていた上でのプレーでしのいできた。だけどそれができないことがシーズンの最初でわかり、用意してきたプレーの多くが使えなくなってしまいました」

B1とB2のゲームスタイルの違い。それは単純なフィジカル面だけにとどまらず、さまざまな要素が複合的に絡み合っている。そのなかでもストークスを戸惑わせたのは、相手のディフェンス面だ。

「B1では特にアウトサイドの選手には、相手がどんどん身体を当ててディフェンスをしてくる。ディフェンスでも向こうがどんどん身体を当ててくるのは、B2では経験していないことでした。ここまでは、それに上手く対応できなかったのが実際のところです」

しかしbjリーグ時代に大阪エヴェッサで3連覇を果たし、昨季はストークスをB2チャンピオンに導いた天日コーチは、黙って手をこまねいてはいない。

「開幕前から用意してきたプレーが使えなくなり、苦戦していたところで正月と2月後半に、それぞれゲーム間隔が2週間空くスケジュールがありました。僕らにとってはラッキーなタイミングで、キャメロン・リドリーやハーバート・ヒルらが入って選手も替わったので、そこで戦い方のアプローチを変えることをやりました。チームがこれからやろうとしている形の、枠はできてきています」

「今は言えませんが、ネタはまだありますよ」

シーズン途中で加わった2人の外国籍選手ももちろん、岡田優の加入もチームに大きなプラスをもたらした。

「ユウ(岡田)の取り組みややっていることは、このチームの他の選手とちょっと違うなと感じるものはあります。いろんなチームを渡り歩いて、実績もある。それを彼が発信せずとも、彼のような選手が来たらみんなが勝手に見習うものだから、ユウの存在は必ずプラスになります。実際に彼の加入でチーム内に化学変化が起きていて、ノリ(道原紀晃)をポイントガードにしたのも、ユウが来てくれたからというところもあります。ユウの影響で、ノリのプレーの幅が広がっていると感じさせた場面もありました」

シュート力に定評のある道原は、司令塔を務めることで視野とプレーの幅を広げ、もう一段上のレベルへとステップアップを果たそうとしている。このケースに表されるように、選手に刺激を与え続ければ、また新たな何かが生まれるかもしれない。

「選手の役目を代えたり、いろいろな方法で刺激を与えれば、ノリのようなことが出てくる可能性がある。そうすることで、選手がまだ内面に秘めているものを表に引き出せたらと思っています。今は言えませんが、ネタはまだありますよ。僕自身がいけるんじゃないかと感じている『これはどうだ』という手もあります」

「リーダーシップとは人を巻き込んで何かをすること」

プレーをいくら進歩させても、それを遂行するのは人間たる選手である。選手たちがこれからの残りのシーズンでいかに成長を遂げるかも、目標達成への大きな要素だ。天日コーチは彼らの、特に内面での成長に期待を寄せる。

「現状のウチには外に向かって表現したり、人を巻き込んで何かをすることが得意な選手はいないですね。リーダーシップとは人を巻き込んで、何かをするということ。自分だけが頑張るのではなく、自分も頑張って、人を巻き込んでやるということです。それを一人に対してしかできないのであれば、それでもいい。そういう選手が3人いれば、チームの6人を巻き込める。それがやがて広がっていけば、良いグループになれるんです」

終盤戦を戦い抜くのに、全体のレベルアップは不可欠。そのためには個々の技術や戦術を含めたプレー面の充実を図ることはもちろん、チーム全体が強固に結びつくことも必要だ。そのためのキーワードは『コネクト』(つながる)だ。

「だから僕は選手たちに『オマエらもっとつながらないと、コネクトしないとアカン』と伝えています。一人が頑張っているだけじゃなく、選手同士で必死に助け合い、つながり合って戦う。それが表に現れてくれば、お客さんにも何か伝わるもの、見ていて面白いものがあるはずです。それこそが良いチームだと思う。僕が経験した中では、そういうことがなくても優勝してしまったチームもありました。でも、それでいいのかと思うんですよ。それなら結果がギリギリのB1残留でも、全員が同じ目標に向かって戦う姿勢を表し、『コイツら、見ていて面白い!』というチームのほうがいいんじゃないか。前半はボロボロだったけど、全員がコネクションして助け合い、目標を達成できた。そのほうが、良いシーズンだったと言えるんじゃないかと思うんです」

選手同士の結びつきを深め、さらにそこに進化したプレーをコネクトさせて、西宮ストークスは残りのシーズンを戦う。