写真=Getty Images

トリプル・ダブル級の活躍で3度目のオールスターMVP

2月18日にステイプルズ・センターで開催されたNBAオールスターゲーム2018は、チーム・レブロンが148-145でチーム・ステフィンを下した。

ここ数年は3ポイントシュートの乱れ打ち状態となり、全くディフェンスしない試合内容を問題視したコミッショナーのアダム・シルバーは、今年の大会で試験的にチームキャプテン制を導入。東西カンファレンスのファン投票で最多票数を獲得した2選手がキャプテンを務め、所属カンファレンスに関係なく選手を指名するドラフトを実施し、各々のチームを編成した。

試合は、第4クォーターまではエンターテイメント性重視の展開となったが、第4クォーター残り5分を切り、チーム・レブロンが点差を縮め始めてから公式戦さながらの緊迫した攻防に変わった。

残り4分30秒から1ポゼッションゲームの展開が続き、144-144の同点で迎えた残り1分半、チーム・ステフィンのジョエル・エンビードと、チーム・レブロンのケビン・デュラントが絡むプレーでボールがアウト・オブ・バウンズとなってチーム・ステフィンのボールと判定されると、チーム・レブロンは審判に映像判定を要求。リプレーを見た限り、デュラントの右足にボールは触れていないようにも見えたが判定は覆らず。

チーム・ステフィンは、デマー・デローザンのフリースローで1点を勝ち越したものの、チーム・レブロンはレブロン・ジェームズとラッセル・ウェストブルックが2本続けてレイアップを成功させて逆転。145-48と3点差を追うチーム・ステフィンは、残り10.7秒にタイムアウトを要求し、最後のプレーに賭ける。

3ポイントシュートが必要な展開で、チーム・ステフィンが選択したプレーは、やはりキャプテンのカリーの3ポイントシュート。しかし、ボールを受けたカリーにレブロンとデュラントがダブルチーム。強烈なプレスを受けて右コーナーに追い詰められたカリーはシュートをリリースできない。カリーはたまらず隣にいたデローザンにボールを託したものの、デローザンも試合終了のブザーが鳴る前に打てず、チーム・レブロンが僅差の試合を制した。

試合終了後、キャリア3回目のオールスターMVPに選出されたレブロンは、声を枯らし「ここ数年の大会は、自分たちが求めていたような競った試合にならなかった。僕の声を聞いてもらえれば、どれだけ競った試合だったか分かってもらえると思う」とコメント。

勝敗を分けた最後のディフェンスについて聞かれると「オールスターゲームで守備に力を入れる機会は少ないよね。でも、試合前から守備に力を入れようと思っていたんだ。今日プレーした全員が、あるべき姿勢で試合に臨んだ。200を超える国と地域で放送されているこの試合を素晴らしいショーにした。ここは世界最高のリーグだ。これからも毎試合で素晴らしいプレーを見せ続けたい」と続けた。

メディアは来年のオールスターでもキャプテンを務めるかどうかレブロンに質問した。レブロンの回答は「やるのは構わない」。それでも「ヘッドコーチを決めるルールのように、前年の前半戦最高勝率のチームのコーチが、翌年にまた最高勝率を記録してもオールスターゲームのヘッドコーチを務められないのと同じ形でも良いんじゃないかな。違う選手がキャプテンを担当するのも素晴らしいことだと思う」と語った。

いまだ衰えが見られないレブロンなら、ケガさえなければシャーロットで開催される2019年の大会にもスターターとして出場するだろう。新フォーマットによる第1回目のオールスターゲームは、トッププレーヤーたちによる素晴らしいショーになった。