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前半25点のビハインドを背負うも逆転勝利で5連勝

セブンティシクサーズはオールスターブレイク前の最後の試合で、プレーオフ争いの直接のライバルとなるヒートと対戦。長く続いた我慢の時間帯を耐え、終盤に盛り返す見事な逆転勝利を収め、30勝25敗と貯金を殖やした。

シクサーズはジョエル・エンビードが足首に違和感を訴えて欠場。ここをヒートに突かれ、インサイドを警戒しすぎると3ポイントシュートを射抜かれて先行を許す。前半のラスト3分弱を無得点に抑えられ、39-64と大量ビハインドで前半を終えた。

ただ、序盤から第3クォーターを通じて守備でリズムを作れず攻めもうまくボールが回らない状況で、粘り強く得点を重ねたのがダリオ・シャリッチだ。身体を張ってインサイドで起点となり、納得の行かない判定にオーバーリアクションしてしまいテクニカルファウルを受ける不運にもキレることなく自らの役割を遂行。不出来なゲームを何とかつなぐ。

そして第3クォーター途中からシクサーズにようやくエンジンがかかる。ベン・シモンズとシャリッチで猛烈な追い上げをスタートさせ、第3クォーターのラストからこの試合がシクサーズでのデビュー戦となるマルコ・ベリネッリが次々と3ポイントシュートを決めてチームを勢いに乗せる。また前半に大暴れしたゴラン・ドラギッチをロバート・コビントンがマーク。後半は全く仕事をさせなかった。

ヒートはここでドウェイン・ウェイドに試合を託す。昨シーズンまでレギュラーシーズン915試合に出場し、そのうち904試合で先発出場してきたウェイドは、今シーズンにキャバリアーズでベンチスタート起用を受け入れ、今月復帰したヒートでも同じスタイルを取っている。それでも猛烈な追い上げを浴びて若いチームの足並みが乱れた時に頼れるのはウェイドだ。

しかし、序盤は低調なパフォーマンスだったシモンズが最終クォーターには乗りに乗っていた。ウェイドにボールを預けてそこから打開を図るヒートの攻めに対し、シモンズがウェイドを自由にさせず形を作らせない。

こうしてヒートの得点を止め、ベリネッリとJJ・レディックとシューター2人を同時起用してディフェンスを広げると、手薄になったインサイドをシモンズが何度も突く。もはや完全にシクサーズのペース。前半を終えて25点あったビハインドが第4クォーター開始時点で8点になり、残り6分を過ぎたところで同点に。なおもJJ・レディック、ベリネッリの3ポイントシュート攻勢は止まらず一気に逆転。

ヒートはウェイドの個人技で食い下がり、残り4.8秒でと2点差に迫り、残り3.3秒でシモンズのターンオーバーを誘い最後のチャンスを得る。シクサーズの守備は甘く、一番怖いウェイドに3ポイントシュートを打たれるミスを犯すも、決まれば逆転ブザービーターの一発はリングの内側をたたいて外へ。104-102でシクサーズが勝利した。

苦しい試合ではあったが、多くの選手が自分の役割を果たした上での価値ある勝利。ベン・シモンズは18得点12リバウンド10アシストで、NBA1年目ながら早くも6度目のトリプル・ダブルとなった。「エンビードの欠場が決まって、僕がもっとアグレッシブに行って、チームメートにより多くの得点に絡んでもらわなければならないと思った。みんなうまくやってくれた」と、劇的な逆転勝利にも表情を変えずシモンズは語る。

「まだ27試合残っているからね。あっという間に過ぎ去ってしまうだろう」と、オールスターブレイク後のプレーオフ進出争いに向け気を引き締めた。本人が切望したオールスターの出場はかなわなかったが、ライジング・スターズ・チャレンジには出場の予定。だがシモンズはあくまで22日に再開するシーズンを見据えている。「少しの休みだけど有効活用しなきゃね。家族や友達に会ってリフレッシュする。戻った時にはちゃんと仕事をしなきゃならない」