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サンズを長い低迷期から救う存在になれるか

2009-10シーズンを最後にプレーオフ進出を逃しているサンズ。スティーブ・ナッシュ、アマレ・スターダマイヤーが中心を担い、現在ロケッツの指揮を執るマイク・ダントーニが導入した戦術『ラン・アンド・ガン』による旋風を巻き起こした時代が懐かしい。

長い間チームの再建に時間を費やしているサンズは、今シーズンも苦戦を強いられている。ただ、タレントは揃い始めた。3年目のデビン・ブッカーはNBA屈指のスコアラーで、貫禄と風格を備えつつある。伸び盛りのドラガン・ベンダー、デリック・ジョーンズJr.、ジャレッド・ダドリーに加えて、ルーキーのジョシュ・ジャクソンも物怖じしない性格で期待に応えている。

そしてもう一人の注目選手、2年目のマーキーズ・クリスが密かにNBA史上4人目の快挙を達成したことは、あまり知られていない。身体能力が売りのクリスだが、その快挙とはオフェンスではなくディフェンスに関係したもの。『NBA.com/Stats』によれば、クリスはコービー・ブライアント、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラントに次いで21歳の誕生日までに3ポイントシュート成功数、ブロック、スティールの通算が100を超えた史上4人目の選手だという。

コアなサンズファン以外には知られていないかもしれないが、若手時代のコービー、レブロン、デュラントに肩を並べたのだから、逸材なことは確かだ。ブッカーに続いてクリスがオールラウンダーとして覚醒し、その上でサンズが持つ2018年のドラフト1巡目指名権3枠を有効活用できれば、低迷期を抜け出す準備は整う。