ペニー・ハーダウェイ

ジョーダンがいるブルズをプレーオフで破った唯一のチーム

一般的に、選手は以前所属していたチームと対戦する時には、古巣に自分の実力を証明しようと奮起するものであり、1994年にブルズからマジックへ移籍したホーレス・グラントもその一人だった。

グラントのマジック時代のチームメート、ペニー・ハーダウェイが先日『Uninterrupted』のポッドキャストに出演し、グラントはブルズを倒したくて仕方がない様子だったと話した。

「彼は勝つことだけに集中していた。『ブルズをどうしても倒したい』と話していたよ。とにかく勝ちたかったんだ。契約を更新してくれなかったブルズを深く憎んでいたね。ジョーダンが彼に個人的にしたことも関係していたのかもしれない。古巣をやっつけたくて仕方がなかったようだ。移籍した翌年にはもうブルズを憎んでいたなんてどうかしてるね」

グラントは1987年のドラフト10位指名でブルズに入団。マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンに次ぐ3番手のスコアラーとして活躍し1991年から93年までのブルズのスリーピート(3連覇)に貢献した。

現在放送中のドキュメンタリー『The Last Dance』で描かれているように、グラントはロッカールーム内の状況を記者にリークしたとジョーダンから非難された(本人は否定している)。また、試合でのパフォーマンスが悪かったとの理由で飛行機内で食事を没収されるなどジョーダンから不当な扱いを受けていたとも伝えられている。ジョーダンとの不仲だけが原因であったかは不明だが、グラントは94年にブルズを離れマジックと契約を交わした。

グラントの望み通り、95年のプレーオフ2回戦でマジックはブルズを破った。グラントはこのブルズとのシリーズで平均18得点11リバウンドを記録し見事古巣へのリベンジを果たした。そして、マジックはジョーダンがいる90年代のブルズをプレーオフで破った唯一のチームとなった。