「ジョーダンがいなければ、コービー・ブライアントも存在していない」
Netflixで配信中のドキュメンタリー作品『The Last Dance』は、世界中のバスケットボールファンだけでなく、多くのスポーツファンからも注目され、先週配信されたエピソード3と4の視聴者数は平均590万人にまで上った。
『The Last Dance』のディレクターを務めたジェイソン・へヒアーは、同作品の主役であるマイケル・ジョーダンと故コービー・ブライアントの間にあった特別な関係を目の当たりにしたと、『The Score』の取材で明かした。
「昨年の7月にコービーにインタビューするまで、マイケルと彼の間に特別な関係があったことを知らなかった。コービーは、若い頃からマイケルに助言をもらいたいと考えていたそうだ。そんな矢先にマイケルの方からコービーに連絡先を渡して、『コートでのこと、プライベートでのことでも俺の助言が必要なら連絡してくれ』と言ったらしい。コービーは、『マイケルは自分にとって兄貴みたいな存在。そういう人は今までいなかった。マイケル・ジョーダンがいなければ、コービー・ブライアントも存在していない』と話していた」
NBA史上最高の選手という議論になると、必ずジョーダンとコービーを比較する話に発展する。だがコービーは、そうした議論すらおこがましいと思っていたという。
「コービーは周りからジョーダンと1対1で対戦しても勝てる、みたいな話を振られると否定していた。『やめてくれ、そういう話は遠慮したい。彼に関しては、そういう話はしない』とね。それに2人の関係性を知っていたから、マイケルがコービーの追悼式で『弟』と呼んでいた姿にはグッときた」
ジョーダンはコービーの追悼式で涙を流しながら言葉を振り絞るように「彼と私は親友だった。私にとってコービーは弟のような存在だった」と語り、彼の死を心から悼んだ。
コービーにとってのジョーダンが兄だったのと同様に、ジョーダンにとってのコービーもまた、肉親同然の存在だった。だからこそジョーダンは追悼式でこうも語った。「コービーはできる限り最高のバスケットボール選手になろうとしていた。彼のことを理解するにつれて、私は彼にとって最高の兄のような存在になりたいと思ったんだ」