ゴール周辺のキャッチ・アンド・シュートまでの動作は規格外
NBA1年目のザイオン・ウィリアムソンは、膝のケガのために2019-20シーズン序盤を欠場したが、プロデビュー後、それを忘れてしまうほどのインパクトを残している。
ペリカンズを率いるアルビン・ジェントリーは、メディアとのリモート質疑に応じた際、NBA選手の中でも図抜けている才能について言及。ジェントリーによれば、ザイオンは『セカンドジャンプ』と呼ばれるカテゴリーで驚異的なプレーを見せるという。
『セカンドジャンプ』とは、ゴール周辺からのシュートを失投した後、ボールの軌道を洞察し、即座にリカバリーに入り、ボールを奪って再度跳躍してシュートまで持っていく動作を表すもので、ジェントリーによれば、ザイオンほどの『セカンドジャンプ』は今までに見たことがないレベルだという。
「リーグに携わってきた中で、彼のような『セカンドジャンプ』ができる選手は見たことがない。地面に着地し、対戦相手の選手が反応する前に初動できる姿は見事だ。その部分に関しては驚いてしまっているよ」
ザイオンの『セカンドジャンプ』のすごさを証明するデータも存在する。多くのNBA選手も練習するカリフォルニア州サンタバーバラにあるスポーツサイエンス機関『P3』を設立したマーカス・エリオット博士によれば、ザイオンは同機関で身体能力テストを受けた選手の中で、『セカンドジャンプ』時に発生したエネルギーの値が最も大きかったという。
128.8kgという体重が再び膝を痛める原因になると言われているものの、ザイオンに近しいトレーナーは、以前『ESPN』に「問題なのは体重ではなく、動きの質」と語ったことがあった。今後は体重を絞る可能性もあるだろうが、持って生まれた運動能力がNBAの中でも飛び抜けているのは間違いない。
ジェントリーは、チームメートからも好かれるザイオンの人間性についても「彼は素晴らしい青年だ。チームメートとしても、彼は仲間から支持される」と、称えている。
「ウチの選手たちは、彼と試合ができることを喜んでいる。点が必要な時、正しい判断が必要な時に頼れる存在だ。ウチの選手たちは彼を素晴らしい形で受け入れているし、彼もみんなと仲良くやっている」
19試合で平均23.6得点、6.8リバウンド、2.2アシスト、フィールドゴール成功率58.9%というスタッツを残したザイオンのNBAキャリアは始まったばかり。これからどこまで進化するのか、今後が楽しみな選手だ。