井手口孝

全国の選手に「バスケに対する気持ちは消さないように」

全国高校体育連盟は昨日の臨時理事会で、今年のインターハイを中止にすることを決めた。これを受けて、男子バスケットボールの昨年優勝校、福岡第一の井手口孝コーチは「ある程度は予想していたので、心の準備はしていました」と前置きしつつも、「寂しいですし、辛いし、無力感があります」と率直な感想を語る。

選手たちには昨夜にインターハイ中止の一報を入れるとともに「僕らにはウインターカップがあるけど、他の競技の仲間たちの中には本当にこれで終わりの選手もいる。その気持ちを僕らも分かっておこう」と伝えた。

今はバスケ部の活動も完全にストップ。「学校が始まらないことには何ともなりません。練習ができればいいけど、そうもいかない」と、留学生を除いては県外から受け入れている選手もそれぞれ実家に戻している。井手口コーチも今はバスケットの指導よりも教員としての仕事が主で、「休校はもちろん先生たちもテレワークで、オンラインでホームルームや授業をして、宿題を確認して健康をチェックしてと結構忙しい。特に生徒たちの心のケアには気を付けています」と語る。

「選手たちにはウインターカップがある、3連覇が懸かっていると言っていますが、本当にウインターカップが実施できるんだろうか、とは思います。そこだけは何とかやりたい。2月になっても3月になってもやりたいです」

井手口コーチは福岡第一の選手に限らず、全国のバスケ選手全員に次のようなメッセージを送っている。「出口のないトンネルはありませんし、乗り越えられない試練を神様は与えません。技術や体力は落ちるかもしれない。けど、バスケットボールに対する気持ちは消さないように、みんなで乗り越えましょう」