文=丸山素行 写真=鈴木栄一

金丸が前半だけで22得点の爆発

天皇杯ファイナルラウンド第3試合、新潟アルビレックスvsシーホース三河。序盤は三河の金丸晃輔のシュートが連続で落ちる間に、ダバンテ・ガードナーと五十嵐圭が3ポイントシュートを決めた新潟が10-4と先行する。しかし、外しても打ち続けた金丸が、その後に4本連続で3ポイントシュートを沈めて三河が逆転した。

オン・ザ・コート「2」の第2クォーター、三河はペイントエリアで無類の強さを誇るダニエル・オルトンとアイザック・バッツがインサイドを制し、金丸がこのクォーターでも2本の3ポイントシュートを成功させ10得点を挙げてリードを広げる。

前半を終えて49-33、スコア以上に三河優位の展開に。後半になって新潟はガードナーにボールを集めて打開を図るが、他の選手の得点が伸びず点差を縮められない。第3クォーター、三河はセカンドユニット主体でも6選手が得点を挙げるバランスの良さを見せ、このクォーターでも22-18と上回った。

最後まで三河はペースを緩めず、新潟を寄せ付けずに96-72で圧勝した。

城宝「現時点での力の差と認めるしかない」

三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「今朝もしっかりシュート練習をやって、選手のタッチが良かったので、今日はインサイドじゃなくアウトサイドで行ける」と手応えをつかんでいたという。

また「金丸くんは熱があって最後はバテてしまったけど、勢いを付けてくれた。チームとしても動きながら外から打つ良いバスケができたし、KJ(松井啓十郎)、狩俣(昌也)、西川(貴之)と調子の良い選手をうまく使えた。良い形で大会に入ることができた」とチーム一丸の勝利に満足した様子だった。

一方、敗れた新潟の畠山俊樹は大敗を恥じてこう語る。「技術以前に、個々が1対1で抑えるという気持ちが足りなかった。やられても仕方ないと思っている面がある。そういうのは絶対違うと思うので、次の試合では違う戦いにしなければいけない」

城宝匡史は「金丸が当たっているから抑えに行くべきだけど、同じやり方でやられ続けてしまった。三河はバスケットIQが高く、臨機応変にスマートにやってくる。リーグ戦でも4度対戦して、すべて力の差を感じさせられる負け方をしています。悔しいけど、これが現時点での力の差と認めるしかない」と地力の差を痛感し、「チームとしてどうしていくのか、このタイミングで考えなければならない」と警鐘を鳴らす。

セカンドユニットを併用しながらの采配で完勝を収めた三河は4強へ駒を進めた。6日に行われる準決勝は琉球ゴールデンキングスと川崎ブレイブサンダースの勝者と戦うことになる。