田渡凌

横浜ビー・コルセアーズは11勝30敗と中地区5位でシーズンを終えた。残留プレーオフを回避するため、同地区対決が続くシーズン終盤が正念場となるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大によりリーグは中止に。今シーズンからキャプテンを務めた田渡凌に、このシーズンをどのように評価するのかを聞いた。

「後悔しないような選択を常に選択している」

──チームの調子が上向いてきたタイミングでのシーズン終了となり、不完全燃焼だったのではないかと思いますが、田渡選手にとってどのようなシーズンでしたか?

残りの試合は同地区対決が多く、これまでの40試合の中で培ったものやチームで乗り越えてきたものをここからぶつけて残留を回避しようという状況でした。外国籍選手も途中で入れ替わったり、ヘッドコーチも代わったりしたんですけど、それを含めてチームで1年間やっていました。僕もキャプテンになって、こういうところを変えていこうと模索しました。いきなり結果が出るとは思っていませんでしたが、序盤に初めて勝率5割になれた時もありました。自分も足を痛めて落ちた時期もあったんですけど、いろんな波があった中でそれを乗り越えて、「よし、ここから」という時だったので、みんなともっとやりたかったという気持ちが強いです。

──そう思えるのはチームがまとまっていたからこそですね。過去3シーズンと比べても雰囲気は良かったですか?

同年代の選手が増えたこともあり、練習に行くのが楽しみな環境ではありました。僕がキャプテンになって一番意識したのはそこで、みんなが生き生きとできる環境を作りたかったんです。今年はオフコートでの食事会も増やしてチームの仲を深めようとしていて、気まずそうにしてる人はいなかったし、良い意味で気を遣わないチームにはなれたと思います。

──ご自身の出来についてはどうでしょう。故障を抱えながらのプレーで苦労が多かったように見受けられました。

そうですね、10月の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦でケガをして、痛みを抱えながらのプレーとなりました。3年間で一番大きいケガをして、最後まで自分の100%のスピードを出せず、痛かったですし、普通であれば一歩が出る場面も出なかったり、それはもどかしかったです。

──それでも、先発に戻ると30分前後プレーしていました。

ごまかして出ていましたね。僕の中で「休まない」というポリシーがあるんです。桜井良太(レバンガ北海道)さんを本当にすごいと思っていて、骨折しながらもプレーしていたじゃないですか。痛くてもプレーする方法はあると思っていて、それで試行錯誤し続けたシーズンでもありました。

──確かに桜井選手は文字通り『鉄人』ですね。もちろん痛みと付き合いながらプレーすることも大事ですが、コンディションを100%に戻してから復帰するという選択肢もあったと思います。結果的にずっと痛みを抱えることになりましたが、そこに後悔はないですか?

後悔しないような選択を常に選択しているので。足の痛みと付き合うのはキツかったですが、その選択で良かったと思えるように来シーズン頑張らないといけないと思っています。恥ずかしい、悔しいシーズンになりましたが、最高の準備をして皆さんの前に帰ってこれるように頑張ります。また会場で会いましょう。