キングスが試合出場を拒否しワイルドキャッツが優勝に
オーストラリアリーグのNBLは、新型コロナウイルスの世界的な大流行の影響を考慮し、第3戦まで終えていたファイナルの残り試合開催を諦め、シリーズを2勝1敗でリードしていたパース・ワイルドキャッツの優勝としたことを発表した。
コミッショナーのジェレミー・レーリガーと、リーグ業務執行取締役のラリー・ケステルマンは記者会見に臨み、球団内部での話し合いの末、キングスが第4戦以降の試合に出場しないと決めたと説明。これにより、ワイルドキャッツが直近7年で5回目、トータル10回目の優勝を果たした。
5試合で3勝を先にあげた方が優勝するフォーマットのNBLファイナルは、パースで第4戦が行われる予定だった。両チーム合意の上で第2戦からの2試合は無観客で実施されたものの、新型コロナウイルス感染拡大の脅威を鑑み、キングス側は今後の試合出場を受け入れられない、とリーグに通達したという。
この連絡を受け、リーグはキングスに対し、今回のファイナルは優勝チーム無しとするか、ワイルドキャッツの優勝とするかを決める話し合いをするよう促し、48時間の猶予を与えた。話し合いの末にキングスはファイナル残り試合不参加を決断し、ワイルドキャッツの優勝が決まった。
キングスのアンドリュー・ボーガットは、苦渋の決断だったことをTwitterで告白。ボーガットは「3時間あまり全員で話し合い(多くの選手が涙を流し)、アスリート、チームにとって、考えられる中で最も辛い決断を下した」と、綴った。
そして、「自分の考えをハッキリさせておく」と前置きし、リーグの対応を批判した。「今回のグランドファイナル・シリーズ開幕に至るまでのリーグの対応にはがっかりしているし、当惑している」
「自分の発言で今回発表された内容が変わるわけでもなく、僕はパース・ワイルドキャッツの優勝を祝福したい」
ボーガットが主張した通り、シリーズ開幕前の段階で開催延期など、今回とは異なる対応ができただろう。キングスにとって無念でしかない結論に至ったとはいえ、目に見えないウイルスの脅威を判断するのは簡単ではない。
リーグ、キングスにそれぞれの言い分があったとしても、今回の経験を糧にするしかない。