レブロン・ジェームズ

NBAの2020-21シーズン終盤戦と重なる可能性も

来年7月23日を開幕とする東京オリンピックの新日程が発表された。5人制のバスケットボールはもともと今年の7月26日にスタートし、8月8日に男子決勝、翌9日に女子決勝というスケジュールだった。これから決まる新たな日程も、基本的には1年の後ろ倒しになるだろう。

新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか分からない状況ではあれ、バスケットボールの各国代表チームはスケジュールを再構築して準備を進めていかなければならない。早くも問題となっているのがアメリカ代表とNBAの『対立』だ。

NBAは現在シーズンを中断しているが、6月中旬以降に再開して8月のファイナルまでの日程を消化させるべく検討を進めている。そうなれば、2020-21シーズンのスケジュールも全体的に後ろにスライドする。仮に2021年のNBAファイナルが通常スケジュールの1カ月遅れとなる7月中旬に行われるとなれば、アメリカ代表選手は準備期間をほとんど与えられないままオリンピックでプレーしなければならない。さらに遅れるとなれば、プレーオフ進出チームから選手を招集することは不可能となる。

ワールドカップで優勝を逃したことで、アメリカ代表の選手たちはリベンジの気持ちに燃えている。オリンピックに特別な情熱を持っているのも間違いない。レブロン・ジェームズやステフィン・カリーといったNBAのトッププレーヤーたちも、東京オリンピック出場への強い意欲を繰り返し語ってきた。

だが、そこには「コンディションが優先」というニュアンスも必ず含まれる。NBAのシーズンに悪影響があると見た場合、彼らがどちらを選択するのかは明らかだ。

話はNBAのトップスター選手に限らない。すでに発表されている男子アメリカ代表の最終候補44名が一人も東京オリンピックに参加しない可能性もある。NBAがシーズン再開を検討している一方で、大学バスケはシーズンを打ち切った。新シーズンが例年通りのスケジュールで行われれば、4月上旬にはすべての日程を終える。大学バスケのトッププレーヤーを集めた『チームUSA』でオリンピックに臨むことは、有力な選択肢の一つだ。また、Gリーグを主戦場とする選手でチームを構成することも考えられる。いずれにしても、そこにはレブロンもカリーも、NBAのトップ選手はいない。

44名の最終候補のリストが『最終』ではなくなるのは間違いない。オリンピックがなくなった今年の代表活動がどうなるかは不明だが、再始動する時にはまた別のメンバーで集まるはずだ。どんな選手選考をするにしても、圧倒的な選手層の厚さを誇るアメリカ代表は強いチームになるだろうが、オリンピックへの準備は相当難しいものになりそうだ。