ケガを抱える選手を「回復させる時間が増えた」
今年の2月、ウォリアーズのアシスタントコーチを務めるマイク・ブラウンは、東京オリンピックに出場するナイジェリア男子バスケットボール代表チームのヘッドコーチに就任した。
周知の通り、2020年の夏に予定されていたオリンピックは、新型コロナウイルスの大流行により、開催が1年延期される特別措置が取られた。代表ヘッドコーチとしてチームを預かるブラウンは、開催延期を歓迎している。
『The Undefeated』とのインタビューで、ブラウンは「多くの国が、同じ選手、スタッフで何年も活動していて成長している。1年の猶予があれば、チームのタレントレベルという話だけではなく、方向性も含めて準備ができるので、最高のナイジェリア代表を見せられる。私のように代表に加わったばかりの人間にとっては、歓迎すべきことだ」と語った。
チームの主力で、昨年のワールドカップにも出場したNBA選手のアル・ファルーク・アミヌ(マジック)は、今年1月に右膝半月板の手術を受けたばかり。もし予定通りにオリンピックが開催されていたら、間に合わなかった可能性が高い。ブラウンは、アミヌにとっても回復にあてられる時間が増えたと話す。
「彼は、代表のプログラムを引っ張ってきた選手の一人。今は、コンディションを戻すことが優先される。それでも彼を知っている立場からすれば、プライドを持って代表に力を貸してくれている選手だ。出場権を獲得した経緯を考えても、彼は絶対にオリンピックに出場したいと思っている。(開催延期で)回復させる時間が増えたし、コンディションも上げられる。彼も喜んでいるだろう」
ナイジェリア代表がオリンピックに出場したのは2大会のみで、2012年のロンドンオリンピックでは10位、そして2016年のリオデジャネイロオリンピックでは11位に終わっている。
NBAでキャバリアーズ、レイカーズのヘッドコーチを務めた経験を持つブラウンにとっても、代表の力を十分に引き出すだけの猶予が与えられた。NBAのシーズンが再開されれば代表での活動にも影響を及ぼすことになるが、ブラウンの手腕に期待がかかる。