『フォア・ザ・チーム』の精神と豪快ダンクでA東京を支えるアレックス・カーク

2017/12/17
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

栃木のリバウンドを封じる展開で主役を演じる

昨日の栃木ブレックスとの初戦に勝利し、アルバルク東京は18勝4敗と東地区の首位を守り続けている。

前日は栃木が誇るリーグ1位のオフェンスリバウンドを封じたことが大きな勝因となった。オフェンスリバウンドで11-7、ディフェンスリバウンドで29-18と上回ったことで、栃木の強みであるセカンドチャンスポイントと速攻、この2つの強みを消すことに成功した。

そんな中、両チームを通じてただ一人2桁リバウンドを記録したアレックス・カークの存在感は数字以上のものがあった。タイムシェアを徹底しプレータイムを管理するルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが、31分間もカークを起用したことも、彼がいかに機能したかを証明している。

カークは試合後、「厳しい試合でしたが、チームとして一つひとつの役割をいつも以上にみんながこなした結果」とチーム一丸の勝利を強調した。

「リバウンドが一つのカギだったので、そこを絶対取らせないという意識はありました。自分たちビッグマンもしっかりボックスアウトして、相手のセンター陣に取らせないようにしたし、ロングリバウンドはガード陣が拾ったと思っています」と勝因となったリバウンドへの意識について説明した。

「フォア・ザ・チームの結果が今の順位なんだ」

211cm114kgという巨躯はペイントエリアで絶大な影響力を行使する。さらに柔らかいシュートタッチも兼ね備えており、相手チームにとっては脅威以外の何物でもない。昨日はゲームハイの18得点を記録したジャワッド・ウィリアムズに次ぐ、16得点も記録。現在まで全試合で2桁得点を記録している。

「これで明日1桁だったら困るじゃないか。余計なことは言わないでくれよ」とお茶目な一面を見せてくれたが、自分の得点についてもあくまで周りのおかげとチームメートを尊重する。

「まず一生懸命ハードな練習をこなしているから。それと同時に、日本人選手とのコンビネーションが良いからだ。彼らがいてこそ自分の得点につながる。自分一人の力ではなく、周りのみんながいるからこそ2桁得点ができていると思う」

昨日の試合、A東京は出場10人が全員得点。カークが言う「周りのみんながいるおかげ」というのは、どの選手も得点が取れるという自信の表れでもある。ここまでチームメートをリスペクトし、『フォア・ザ・チーム』に徹することができる外国籍選手もそう多くはない。ストレスが溜まり個人プレーに走ったり、中にはハリーバックしない選手だっている。

だがカークは「小さい頃からそう育てられてきた」と話し、『フォア・ザ・チーム』の精神が染みついていると言う。「周りが先で、自分が最後でもいいと思っているんだ。実際、A東京は外国籍選手だけが突出するのではなく、日本人選手も活躍している。『フォア・ザ・チーム』を優先してやっている結果が今の順位なんだ」

チームプレーだけでなく豪快ダンクも「狙っていく」

まさしくA東京の強みは皆がハードワークをする点にある。あまり自らを大きく見せようとしないカークだが、その部分には自信を持っている。「我々のチームは恐らく一番ハードな練習をしている。特に外国籍選手は他のチームに比べてもハードにやっているという自信がある。日本人選手が一生懸命やっているから『僕たちもやらなきゃダメだ』という気持ちにさせられるのもあるね」

A東京の選手から『練習よりも試合のほうが楽』という言葉を何度か耳にしたことがある。やはり練習量は少なからず成績に比例するのだろう。そんなハードな練習をこなしているため、休日は身体を休めることが最優先。「疲れているので街にぶらっと行く程度で、シーズン中はほとんど休んでいる。今はちょうど両親が来ているので、観光にでも行けたらいいかな」とカーク。

コート上ではダンクを連発するなど激しいプレーを見せるが、「性格はそんな派手じゃない」というギャップには好感が持てる。「ダンクでお客さんが熱気を帯びてチームにプラスになった時は、自分の仕事ができたと思う。できる限り狙っていきたい」

『フォア・ザ・チーム』を大事にし、ダンクで観客を魅了しチームに勢いをもたらすカーク。今日の試合では果たして何発のダンクが飛び出すだろうか。