レブロン・ジェームズ

初めて自分より平均得点の高い選手とプレー

レイカーズのレブロン・ジェームズはシーズンが終盤に近付くと『プレーオフモード』に切り替える。

コートの外では、ソーシャルメディアを避け、テレビや新聞も一切遮断する。コートの中ではポゼッションを独占し、ショットクロックギリギリまでボールを保持。オープンの味方選手がいればパスをするし、いなければ自らシュートを打つ。レブロンはこうして自分のチームをファイナルに導いてきた。

レイカーズのヘッドコーチ、フランク・ボーゲルは、ペイサーズで指揮を執っていた頃プレーオフモードに入ったレブロンと対戦した経験がある。

「レブロンは相手を圧倒できる。試合に100%集中しているね。彼にはどんな戦略も見透かされてしまうんだ。自分にどんな作戦を使ってくるか予測できる力があるし、インテリジェンスも兼ね備えている。勝利のために必要なことをやり抜くことができるんだ」

2018年、19年はチームの成績が振るわず、オールスター明けからプレーオフモードに切り替える必要があったが、西カンファレンス首位を走っている現在はその必要がない。一番の理由はMVP候補のアンソニー・デイビスがいるからだ。

これまでは1人で大きなプレッシャーを背負って戦ってきたが、デイビスというもう1人のスターがいるため、これまでのような異次元のプレーではなく、単純に素晴らしいプレーをしているのだ。ロッカールームでのいざこざもなく、追い込まれて必死にならざるを得ない状況でもない。

デイビスのおかげでレブロンへの負担が減っていることは間違いない。実際レブロンが自分より平均得点の高い選手とプレーするのは初めてのこと(レブロン25.2得点、デイビス26.7得点)で、その代わりにアシストはキャリアハイの平均10.7を記録している。

デイビスとプレーすることについてレブロンは「ADはこれまで僕が一緒にプレーしてきた偉大な選手のリストに入るけど、僕自身は何も変わらないよ。これまで通りしっかり準備して試合に臨むだけだ」と、コメントしている。

今シーズンのレブロンにはプレーオフモードは必要ないのかもしれない。それくらいデイビスとのコンビネーションは強力なのだから。