外国籍選手の入れ替えが明暗を分ける
三遠ネオフェニックスが名古屋ダイヤモンドドルフィンズを豊橋市総合体育館に迎えた第2戦。前日の初戦で64-79と完敗を喫した三遠は、センターの外国籍選手をデビン・イーバンクスから212cm115kgの重量級センター、ヴィアチェスラフ・クラフツォフへと変更してこの試合に臨んだ。
この選手起用がいきなり当たる。ゴール下をクラフツォフが固めることで相手にイージーな得点を許さず、リバウンドの弱さも解消。名古屋Dも守備とリバウンドに強いヒルトン・アームストロングから得点力のあるジャスティン・バーレルへと外国籍選手を入れ替えており、バーレルは強引なアタックからクラフツォフ越しのダンクを叩き込むなどインパクトあるプレーを見せたが、三遠も前日は無得点に終わった菅野翔太が思い切りの良い3ポイントシュートを決めて食らい付く。
前半ラスト7秒、スイッチさせてアウトサイドでジャメール・マクリーンとの1対1に持ち込んだ河村勇輝が鋭いステップでマークを振り切り、3ポイントシュートを決めて30-29と三遠が逆転に成功する。河村の貢献はもう一つあった。名古屋Dのポイントガード、笹山貴哉をクイックネスで振り切ることで、第2クォーター序盤までに2つのファウルを誘発。第2クォーター途中にクラフツォフに対して個人3つ目のファウルを犯した笹山はベンチに下がり、この試合でのプレータイムは約14分に留まった。前日に14得点を挙げた司令塔が『消された』ことで、名古屋Dのバスケットは噛み合わなくなった。
そんな状況で第3クォーター途中に三遠が抜け出す。クラフツォフのリバウンドから河村が力強いボールプッシュからそのまま小林遥太とバーレルを抜き去ってのレイアップを沈め、名古屋Dのパスミスでこぼれたボールに素早く反応して広い、岡田慎吾のイージーな速攻をアシスト。西川貴之のジャンプシュートを挟んで、河村がスティールからそのまま速攻に持ち込んでバーレルのファウルを誘う。ここからはクラフツォフにボールを集めてインサイドを徹底的に狙い、リードを2桁へと広げた。
河村だけじゃない、全員バスケットでつかんだ勝利
ここまでクラフツォフの安定したディフェンスとリバウンド、そこから河村がトランジションを繰り出すバスケットを見せていた三遠だが、試合の締めを任されたのは本来のポイントガード1番手である鈴木達也で、軽快にパスを散らせて試合をコントロールした。追い上げられる状況での岡田と菅野の3ポイントシュートも効いた。またベテランの太田敦也も気を吐き、マクリーン相手に外からドライブで仕掛けてのバスケット・カウント、トランジションで先頭を走ることでのイージーシュートと、クラフツォフを休ませる時間の『繋ぎ』以上の働きを見せた。
名古屋Dはファウルトラブルからコートに戻った笹山の得点を中心に追い上げ、残り1分を切って1ポゼッション差まで迫るも時間が足りなかった。最終スコア66-63で三遠が勝利している。
三遠は連敗を14で止め、2020年の初白星。また特別指定選手の河村と山本浩太にとっては、うれしいプロ初勝利となった。
2月16日のB1 9試合の結果
富山79-80京都
秋田81-67琉球
横浜79-90SR渋谷
新潟70-75A東京
三遠70-75名古屋D
北海道83-99滋賀
千葉89-66大阪
川崎106-74島根
三河75-83宇都宮
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