バディ・ヒールド

ハリケーン被害に遭った母国バハマに捧げる優勝

オールスターサタデーのイベント、NBAのNo.1シューターを決める3ポイントシュートコンテストは、キングスのバディ・ヒールドが劇的な形で優勝した。

3ポイントコンテストは、左右のコーナーとウィング、トップに設置されたラックにそれぞれ5つのボールがセットされ、通常のボール(1点)、マネーボール(2点)による合計得点で争われる。各選手が得意な場所には、マネーボールだけのボーナスラックを置けることに加え、今年のコンテストでは左右のウィングとトップの間に新たに2カ所の『MTN DEWゾーン』を新設。通常の3ポイントラインより離れた位置に『スリーボール』と呼ばれる緑色のボールを各1つ置き、これを決めると3点が加算されるシステムが採用された。

決勝に勝ち進んだのは、バディ・ヒールド、負傷により辞退したデイミアン・リラードに代わって出場したサンズのデビン・ブッカー、そして八村塁に注目する日本のファンにはお馴染みのウィザーズのダービス・ベルターンスだった。

『ラトビアン・レーザー』ことベルターンスがいきなり22点を決めるも、2018年の優勝者であるブッカーが26点と高得点をマーク。プレッシャーを受けつつ最後に試技を行ったヒールドは、左コーナーに設けたボーナスラックまでに19点を決めると、ここで3本を決めて25点とブッカーに1点差に迫る。そして最後の一投も見事に成功させ、大逆転優勝を果たした。

ヒールドは、優勝経験者ブッカーから決勝前にアドバイスを受けていたという。「ブックに『俺はもう優勝しているから』と言ってもらえて、優勝したい気持ちになった。彼は『出場するたびにプレッシャーが増す』とも言っていたよ」

またヒールドは、「シューターなら優勝したい大会」ともコメント。「満員の観客の前で優勝できるなら、なおさら大きな喜びになる。プレッシャーが増す中でも結果を残さないといけない」

バハマ出身のヒールドは、昨秋に発生した超大型ハリケーン『ドリアン』による被害を受けた国のために戦った。母国から応援しているファンに向けてのメッセージも忘れなかった。

「僕はバハマのみんなのためにプレーしている。バハマの人たちは、僕の活躍を大いに楽しんでくれているんだ。国を代表できるのは光栄なこと。それに、バハマの子供たちにとっての模範になりたい。僕がここで成功を収めることで、彼らが望むことのすべてが実現可能ということを示したい」