好不調の波を安定させ、低評価を覆せるか
ディアンジェロ・ラッセルとのトレードでウォリアーズへ移籍したアンドリュー・ウィギンズが、チーム加入後すぐにインパクトを残している。移籍後3試合に出場し平均23得点、フィールドゴール成功率57.5%、3ポイントシュート成功率55.3%。補強の成否を判断するには早すぎるが、ウォリアーズの首脳陣にとっては嬉しいニュースだ。
ウィギンズはこれまで好不調の波が激しい不安定な選手と評価されてきた。例えば、昨年11月は11試合で平均27.1得点、フィールドゴール成功率48.3%、3ポイントシュート成功率39.5%と素晴らしい成績を残したが、次の11試合でフィールドゴール成功率41.7%、3ポイントシュート成功率28.9%へと急降下。非効率でディフェンス能力が低く、高額契約に見合わない選手との評価をなかなか覆せずにいた。
そんなウィギンズをウォリアーズがリスクを犯してまで獲得したのは、彼のディフェンダーとしての才能を高く評価しているからだ。ウィギンズは身体能力が高く、身体も強いタフな選手。ウォリアーズ加入後初の試合では持ち前のクイックネスをいかし5スティールを記録、次の試合では4ブロックを記録するなど、ディフェンス能力が低くないことを証明した。
オフェンスではヘッドコーチのスティーブ・カーが目指すボールを動かす攻撃に適応する必要があるだろう。ティンバーウルブズ時代はゴールへの積極的なドライブを得意としていたが、ウォリアーズでは無駄なドリブルやアイソレーションは好まれない。出場した3試合では、速攻ではスピードとサイズを活かし積極的にコートを走っていたし、フィールドゴールアテンプトは平均5本近く減っているのに得点はウルブズ時代とほぼ同じと、今のところ効率の良いプレーをしている。
ウィギンズは残りのシーズンでウォリアーズの戦略やシステムに慣れていくことになる。来シーズン『スプラッシュブラザーズ』が復帰すれば、スコアラーとしての役割は彼らに譲ることになるが、彼には新たな役割が与えられるはずだ。新しいチームメートとケミストリーを構築し、これまでの評価を覆す戦いが始まる。