「風化してほしくない」思いから新背番号は24
11月21日に現役復帰を発表した栃木ブレックスの渡邉裕規が、先ほど復帰会見を実施した。
栃木の鎌田眞吾代表は「あれから5カ月が経ち、渡邊選手からもう一度バスケットがしたいという話をいただいた」と説明。そのうえで「昨シーズンの優勝の原動力となった選手であり、今チームに必要なキャラだと思います。彼の熱い思いもあり、チームとして受け入れて再度契約という運びになりました」と復帰に至るまでの経緯を明かした。
引退会見時に復帰の可能性を問われ「ないです」とはっきり否定していた渡邉。今回復帰を決断するまでの心情の変化をこう語る。「あのような形で優勝して終わって、自分の中ではもうバスケットはしないと整理しました。でも、どこかでバスケットをやっていた自分を忘れられないというか、あのようなアリーナでバスケットをして優勝して、一種の快感というか、忘れられないところはあった」
Bリーグ初代王者として引退という選手にとって最良の終え方を選んだが、それが逆に渡邊を現役復帰へと駆り立てたという。「あらためて思ったのはバスケットが好きだなっていうこと」と言う。
引退後はバスケットから離れ、トレーニングもしていなかった。今週から練習に参加しているが、体重も落ちフィジカル的な強度は落ちているという。そのため当時のパフォーマンスを取り戻すには少し時間がかかるかもしれない。
「まずはメンバー入りをして新たな姿を見せたい。イチから頑張ります」と意気込むも、ここまで栃木を支えてきた選手への配慮も忘れない。「監督も変わっていますし、そこに僕が入って競争は競争ですけど、序盤を支えてきた選手が母体となっているので、出たいですけど今いるメンバーを尊重して切磋琢磨してやっていきたいと思います」
仲間を思いやる気持ちは新たな背番号にもつながっている。昨シーズンに着けていた13ではなく24を選択。チームを去ったトミー・ブレントンがつけていた番号だ。「トミーが着けてた番号で、あいつのようにパワーがあるところや、エナジーを出していきたい。風化してほしくないので、それを背負っていきたい」
引退からわずか5カ月という異例のスピード復帰を果たした渡邊。昨シーズンのパフォーマンスを取り戻すにはしばらく時間を要するかもしれないが、ムードメーカーとしては即戦力だ。難しい流れの中にいる栃木に彼がどんな変化をもたらすかに注目したい。
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