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カリーやトンプソン、グリーンに影響を与えた『先輩』

2015年のウォリアーズ優勝に貢献したデイビッド・リーが、11月19日、Instagramで現役引退を発表した。昨シーズンはスパーズに所属して平均13.5得点、8.8リバウンドを記録し、今シーズンもまだプレーする姿が見られると思われていたのだが、本人は34歳での引退を決断。引退表明の方法は、キャリア晩年NBAトップクラスのロールプレーヤーとして活躍したリーらしく、静かなものだった。

家族、友人、婚約者でプロテニス選手のキャロライン・ウォズニアッキとパーティーを楽しむ様子を投稿したリーは、メッセージ欄に次のように綴った。「僕の引退を友人と家族と祝うことができて、本当に最高の夜だ。このパーティーを計画してくれたキャロラインに感謝している」

リーは2005年のドラフト全体30位でニックスから指名され、2010年まで中心選手として活躍。フリーエージェントになった2010年にウォリアーズへ移籍、それから5年間をベイ・エリアで過ごした。当時のウォリアーズは、現在のような常勝チームではなく、西カンファレンスの中位程度で、ステフィン・カリーがまだ2年目の若手だった頃だ。球団の顔になったリーは、移籍1年目からダブル・ダブルを量産してチームを引っ張り、カリーや2011年に入団したクレイ・トンプソン、2012年に入団したドレイモンド・グリーンに影響を与えた。

アンドレ・イグダーラが加入した2013-14シーズンに現在のチームの礎を築き、スティーブ・カーがヘッドコーチに就任して迎えた2014-15シーズンにNBA優勝を成し遂げた。

2014年まで不動の先発として地位を確立していたリーは、ケガが原因で2014-15シーズンはそれまでのキャリアで最低となる49試合の出場に終わり、先発の座をグリーンに明け渡した。だが、キャバリアーズとのファイナル第3戦、チームが劣勢だった後半からオフェンスを牽引し、ベンチから11得点を記録。結果的にキャブズが勝って対戦成績を1勝2敗としたものの、リーのガッツがシリーズの流れを変え、ウォリアーズは第4戦から3連勝で優勝を決めた。

決してリーグを代表するスーパースターではなかったが、リーはオールスターに2回選出され、平均18.5得点、11.2リバウンドを記録した2012-13シーズンには、オールNBAサードチームにも選ばれた。『2ウェイプレーヤー』という表現が広まっていなかった時代から、攻守両面に優れた選手として高い評価を得ていた。

まだやれるという意見は多いだろうが、メンタルの部分も含め、引退のタイミングは本人にしか決められない。NBAで13年もトップレベルでプレーし続けたリーの決断に敬意を表し、今は「お疲れ様でした」と言いたい。