【6月19日のNBA】シリーズ1勝3敗からの大逆転でキャバリアーズが悲願の初優勝
2016/06/21

写真=Getty Images

内のキャブス、外のウォリアーズによる一進一退の攻防

どちらが勝っても記録づくめとなる今シリーズ、3勝3敗で迎えたNBAファイナル第7戦。NBA史上に残る死闘を制したのはビッグ3を擁するキャバリアーズであった。

開始早々にトリスタン・トンプソン、レブロン・ジェームズが得点を決め4-0とし、キャブスが流れをつかむかと思いきや、ドレイモンド・グリーンとハリソン・バーンズが3ポイントシュートを沈める8-0のランでウォリアーズがすぐさま逆転する。

序盤からお互いの持ち味を存分に発揮する、まさに一進一退の攻防。キャバリアーズはケビン・ラブとトンプソンが、ウォリアーズのスモールラインナップに対しゴール下で存在感を見せ、オフェンスリバウンドやファウルを獲得するパワフルなバスケットを展開する。

対するウォリアーズも、インサイドでは劣勢を強いられながらも、ステファン・カリーとグリーンが得意の3ポイントシュートを高確率で決めていく。特にグリーンは前半、3ポイントシュート4本を放ってすべて決める当たりっぷりで、前半だけで18得点と攻守に渡る大活躍でチームを引っ張った。

インサイドのキャバリアーズ、アウトサイドのウォリアーズという試合展開。試合開始からの4-0から、実に20分間もの間、4点差以内で試合は進んでいた。

均衡が崩れたのは第2クォーター残り2分だ。41-40とウォリアーズ1点リードの場面、グリーンがJR・スミスのファールを誘ってバスケット・カウントを決める3ポイントプレーを決めてリードを4点に広げると、その直後には堅守からレブロンのパスミスを誘発し、アンドレ・イグダーラのスティールからレアンドロ・バルボウサが3ポイントシュートを沈め、一気に7点差と突き放す。こうして49-42とウォリアーズのリードで前半は終わった。

流れを引き寄せるバスケット・カウントをもぎ取ってグリーンが吠える。

ワンプレーの重みを感じる試合終盤のディフェンス合戦

続く後半、第3クォーターの立ち上がりにクレイ・トンプソンが3ポイントシュートとミドルレンジからのジャンプショットを沈め、ウォリアーズが点差を8にまで広げる。しかし、ここからキャブスも反撃。アービングのレイアップ、スミスの2本連続での3ポイントシュートが決まり、8-0のランで遂に54-54の同点に追い付く。

インサイドで強さを発揮しながら3ポイントシュートがなかなか決まらなかったキャブスに外角の当たりが出始めたことで、試合は一気にキャブスに傾くかと思われたが、その流れをカリーが3ポイントシュートで引き戻し、ここからは逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームとなった。

第3クォーター残り4秒にショーン・リビングストンの好アシストからイグダーラがゴール下のシュートを決め、76-75とウォリアーズの1点リードで運命の最終クォーターを迎えることになった。

アドバンテージが目まぐるしく変わる展開、残り時間5分37秒の場面でグリーンのゴールで87-83とし、ウォリアーズが4クォーターに入ってから最大の4点差をつける。

ここから奮起したのが絶対的エースのレブロンであった。

すぐさま、スピードのミスマッチを突いて、3ポイントエリアでシュートファールを誘う。これで得た3本のフリースローをすべて沈めて1点差。直後カリーの平凡なミスから得た攻撃機会でレブロンが3ポイントシュートを沈め、逆転に成功する。

それでも直後にトンプソンにドライブからのレイアップを決められ89-89の同点になった残り4分39秒から、両チームが気迫のディフェンスを展開。それまでのシーソーゲームから一転して、スコアが動かなくなる。

互いに激しいディフェンスでノーマークのシュートを打たせない。ここで一度だけカリーがノーマークの状態を作り出すも、放った3ポイントシュートはリングに弾かれてしまう。続いてカリーのパスからイグダーラの速攻で決定機を作るが、ここはレブロンがすさまじい勢いで戻り、ギリギリのところでブロックショットを決めて得点を許さない。

イグダーラの速攻が決まるかと思われた瞬間、レブロンのブロックショット。

好守に激しい展開を見せるが得点が決まらない時間が3分以上続く。次にゴールを決めたほうが勝利する──そう確信させるような雰囲気の中、この均衡を破ったのはビッグ3の一角アービングであった。カリーとのゆったりとした1対1からステップバックの3ポイントシュート。このタフショットを見事に沈め、92-89とついにキャバリアーズがリードを奪う。

後がなくなったウォリアーズは、カリーが3ポイントシュートを狙うが決まらない。残り10秒、キャブスはアービングのドライブからレブロンが合わせてシュートファールを誘う。レブロンはフリースローの1投目を外すも、2投目を成功させ、1ポゼッションでは追い付かない点差にする。これが決定打となり、キャバリアーズの優勝が決まった。

レブロン・ジェームズはトリプル・ダブルの活躍。守備面やリーダーシップも含め完璧な出来だった。

ファイナルMVPはレブロン・ジェームズに

レブロン・ジェームズは27得点10リバウンド11アシストとトリプル・ダブルを記録。さらには2スティール3ブロックと、文句なしの活躍を見せた。また、勝負を決めたアービングも26得点を挙げている。このシリーズを通じて不振にあえいでいたラブも、この大一番で9得点14リバウンドを記録。サイズを生かしてウォリアーズの弱点を突く働きで、スタッツ以上の存在感を放っていた。

ウォリアーズはグリーンが32得点15リバウンド9アシストとチームを引っ張ったが、あと一歩及ばず。スプラッシュブラザーズは2人で31得点。3ポイントシュートは24本放って成功6本と、機能してたとは言えない内容であった。

カリーは終盤でのターンオーバー、ノーマークでのシュートを決められないなど、レギュラーシーズンに見せていた勝負強さを最後の最後で発揮することができなかった。

ファイナルMVPは満場一致でレブロンが受賞。これで3度目の受賞となった。2試合連続40得点以上挙げる得点力。敵を引き付けてのアシスト。スモールラインナップに対してのリバウンドでも強さを見せ、ブロックショットで幾度となく危機を回避。まさに『キング』の名に相応しいパフォーマンスであった。

これでキャバリアーズの初優勝で幕を閉じた2015-16シーズン。来年はどんなドラマが待っているであろうか。

試合終了直後、レブロン・ジェームズは男泣きでインタビューに応じた。

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