理想とするトランジションが炸裂し逆転勝利
横浜ビー・コルセアーズvs大阪エヴェッサの第1戦。
横浜はトーマス・ウィスマン前ヘッドコーチを解任し、アシスタントコーチだった福田将吾がヘッドコーチに昇格。第3クォーターにトランジションオフェンスを炸裂させ、終盤の追い上げを振り切り、75-70で新体制の初陣を白星で飾った。
外国籍選手を強調する両チーム。横浜はレジナルド・ベクトンとジェームズ・サザランドがともに前半だけで12得点ずつを挙げたが、大阪もリチャード・ヘンドリックスが12得点、ジョシュ・ハレルソンが17得点を挙げて対抗した。
それでも横浜はタッチダウンパスからワンマン速攻を許すなど、速攻の得点で0-10と上回られたことで33-38と5点のビハインドを背負って前半を終える。
だが、ハーフタイムに「ファウルを気にしてディフェンスのアグレッシブさがなかったので、ボールマンへのディナイとかギアを上げようと。そこから走るバスケットをして、それを突き通せば必ず勝てる」との福田ヘッドコーチの言葉を体現した横浜が逆襲を開始した。
後半、ディフェンスの強度を上げ、ボールマンへのプレッシャーを強めたことで大阪のパスミスを何本も誘う。スタッツ上では1スティールだったが、苦し紛れのパスをアキ・チェンバースが弾くシーンが多々見られた。そして、アキを筆頭にランニングプレーを何本も成功させていった。
ディフェンスから走る意識が浸透した横浜は13得点を速攻から奪い、このクォーターを24-12と圧倒し、逆転して最終クォーターを迎えた
赤穂が値千金のスティール
逆転に成功した横浜だったがアウトサイドシュートが決まらず、ターンオーバーから走られ、ハレルソンに3ポイントシュートを許すなど点差を詰められていく。
そして残り6分30秒、伊藤達哉にドライブからバスケット・カウントを決められ同点に追いつかれた。流れは大阪に傾いていたが、伊藤がこのドライブの着地で左手を痛めて続行不能となり、せっかくの勢いを失うことに。
その後、横浜はゲームハイの31得点を挙げたベクトンのインサイドを強調し、生原秀将がフリースローを沈め、リードを保ったまま時計は進んでいった。
残り14秒、橋本拓哉に3点プレーとなるバスケット・カウントを許して1点差まで迫られるも、ファウルゲームで得たフリースローをチェンバースがしっかりと沈めた。
そしてその直後、この日がBリーグデビューとなった赤穂雷太が大阪のインバウンドパスをスティールし、そのままワンマン速攻を決めて混戦に決着をつけた。
福田ヘッドコーチ「明日負けたら成長に繋がらない」
敗れた大阪の天日謙作ヘッドコーチにとっては、ベクトンのインサイドと逆転された第3クォーターが誤算だった。
「我慢できる状況だと思っていたので、ジョシュがファウルを4つするまでは、ジョシュの1対1で守っていました。第3クォーターは入るだろうというシュートをポロっと落としていた。自分たちが得点できない分、走られるチャンスが多くなって、それでリズムが悪くなった」
横浜の福田ヘッドコーチは32分強の出場で31得点を挙げたベクトンの貢献を高く評価した。「前節の富山(グラウジーズ)戦では、ファウルトラブルでベクトンのプレータイムが少なかった。彼がいる時といない時の得失点差は大きいと話しました。それで前半は0ファウル。非常に彼がキーになりました」
また、正式にヘッドコーチに昇格した試合で西地区首位の大阪に勝利するも、「僕が指揮を執ってからは2勝4敗なので、喜べる状況ではない」と話し、「今日勝って明日負けたら成長に繋がらないので、明日も全力で、全員バスケットで戦いたい」と、地に足の着いたコメントをした。
低迷から抜け出せず指揮官を交代する決断を下した横浜だが、福田ヘッドコーチが指揮を執ってからの6試合は敗れても接戦が多く、数字上では上向いている。明日の第2戦は、横浜の真価が問われる一戦となりそうだ。
2月1日のB1 9試合の結果
島根64-79千葉
横浜75-70大阪
三河82-57滋賀
名古屋D83-55新潟
川崎68-72A東京
SR渋谷75-73琉球
秋田70-73京都
富山77-72北海道
三遠75-94宇都宮
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