ギルバート・アリーナス

指導者としての資質を見抜いていたコービー

コービー・ブライアントが急死した余波はあまりにも大きく、メディアは連日のように伝え、コービーと所縁のあった現役選手、元選手らもメッセージを発信し続けている。

その一人、元NBA選手のギルバート・アリーナスは、コービーと同じ時代にリーグ屈指のスコアラーとして活躍した。2001年のドラフト全体31位でウォリアーズから指名されたアリーナスは、1年目の途中から台頭。彼のキャリアハイライトは、エースとしてチームを引っ張ったウィザーズ時代だろう。

自らプレーを決められるスコアラーで、勝負強さも併せ持ったアリーナスは、オールスターにも3度選出された。膝のケガに苦しんだ時期もあったが、2009-10シーズンに平均22.6得点を決めて復活を印象付けた。しかし、ロッカールームに拳銃を持ち込む問題行動により出場停止処分を科され、更生施設入りの判決を言い渡されるなど、コート外での行動により心象が悪化。その後はマジック、グリズリーズでプレーするもかつてのパフォーマンスを取り戻せず、2012-13シーズンに中国リーグでプレーして以降はコートに立っていない。

アリーナスは、Instagramにコービーとの2ショットを投稿。この画像を撮影した際に、コービーから受けたアドバイスを実行に移すことを発表した。

「この写真を撮った時に、君からリクエストされたタスクを実行する。君は僕に、『その頭脳明晰なバスケットボールマインドを生かして、NBAか大学、もしくは子供たちに指導してやってほしい』と言った。僕は、ソーシャルメディアで愚かな行動を取るのを止める。そして、キャブズ・ユースバスケットボール(カリフォルニアで30年以上活動している5歳から17歳を対象とするチーム)で指導者としてのキャリアを今日から始める」

現役時代、アリーナスは自らを『East Coast Assassin』(東海岸の暗殺者)と形容していた。メッセージの最後には、「アサシンマインドによる功績を残す」とも綴られている。

アリーナスにとって、コービーの急死は自分を見つめ直すきっかけになった。天国のコービーを喜ばせるためにも、その経験と知識をこれからの世代に伝えてもらいたい。

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