自身のライバル、オスカー・ロバートソンと比較
現在81歳でクリッパーズの相談役を務めるジェリー・ウエストが、マーベリックスのルカ・ドンチッチを絶賛している。ドンチッチはNBA2年目の20歳ながら、ここまで1試合平均29.4得点、9.7リバウンド、8.9アシストとMVP級の活躍を見せ、チームも22勝13敗と勝率5割を大きく上回っている。
ジェリー・ウエストは選手としても殿堂入りを果たし、レイカーズではシャキール・オニールやコービー・ブライアントを獲得するなど球団幹部としても手腕を発揮してきた、まさにレジェンドといえる存在だ。そんなレジェンドがドンチッチについて「天才を見るのは楽しい」と最大級の評価を与えている。
オールラウンダーのドンチッチがよく比較されるのがウエストのライバルだったオスカー・ロバートソンだ。今シーズンのドンチッチはトリプル・ダブルを9回記録しているが、ロバートソンは1962-63シーズンに『平均トリプル・ダブル』を記録している。ウエストによれば、自分とディフェンダーの間にスペースを作ってシュートチャンスを生み出すのが2人とも上手いと言う。異なる点は、ドンチッチのシュートレンジがロバートソンより長いことで、これはスキルの差ではなく当時と今のスタイルの違いによるものだ。
ウエストはドンチッチが今後さらに成長すると予想する。まだ若いということだけでなく、彼のスキルが現在のバスケットボールのスタイルにマッチするからだという。ドンチッチはフロア全体を把握する視野を持ち、20歳にしてベテランのようなプレーをしている。コービー・ブライアントやマジック・ジョンソンのように、時代を代表する偉大な選手になれる可能性も十分だという。
ウエストはドンチッチがプレーを楽しんでいること、ミスをしたら自分の責任を素直に認めるところ、そして負けず嫌いなところが気に入っているという。ウエスト自身も相当な負けず嫌いだった。NBAファイナルで8回敗北を味わったことがあり、負け試合の後は悔しさで話すこともできなかったという。
ウエストはドンチッチが球団史上最高の選手になると信じて疑わない。つまりそれは、マーベリックス一筋で昨シーズンで引退したダーク・ノビツキーを上回る選手になるということだ。現時点ではウエストの評価が正しいかどうかは分からないが、ドンチッチには証明する時間がまだたっぷりある。